杭州アジア大会の開会式に出席するため中国を訪れていた韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は、習近平国家主席と会談し、北韓問題の解決に向けて役割を果たすよう求めました。
外交部が明らかにしたところによりますと、会談は23日の午後、およそ30分間行われ、韓国務総理は、韓半島の平和と安定に向けて中国が建設的な役割を果たすよう求め、これに対し、習主席は、「南北の和解と協力を一貫して支持する。韓半島の平和と安定のために中国も引き続き努力する」と応じたということです。
また、習主席は、韓国が早期開催を目指している韓日中の3か国による首脳会談について、「適切な時期の開催を歓迎する」と述べ、韓総理は「早期に首脳会談が開催されるよう努力する」と応じたということです。
韓日中首脳会談は、2019年12月に中国で開催されて以来、行われていません。
習主席はまた、自身の韓国への訪問も真摯(しんし)に検討すると述べたということです。
習首席は朴槿恵(パク・クネ)政権下の2014年7月の訪韓を最後に、韓国を訪れていません。
一方、中国の外務省は会談後、今回の会談内容を発表しました。
それによりますと、習主席は、韓中関係について、「両国が二国間関係を重視し発展させるということを政策と行動に反映し、互いを尊重しながら友好と協力の大きな方向性を維持することを望む」と述べたということです。
二国間関係の重視という発言は、韓国がアメリカそして日本と安全保障や経済の分野で急接近しているなか、中国との対立姿勢を強めるアメリカに同調してはならないと韓国をけん制したものという見方が出ています。
中国外務省が発表した会談内容には、韓国側が明らかにした習主席の韓国訪問や韓日中首脳会談に関する内容は盛り込まれていません。