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絵本「お、ミジャ!」

#ソウル・暮らしのおと l 2024-03-08

金曜ステーション

ⓒ 박숲, 노란상상
今日は絵本のご紹介です。タイトルは「お、ミジャ!」。それぞれの職場で働く5人のミジャという名前の女性が登場します。絵本を通して彼女たちの自己紹介を聞いてみます。ではさっそくページを開いてみましょう。

ⓒ 박숲, 노란상상
私は清掃員のミジャです。
今日も楽しく仕事を始めます。もちろん、楽しいことばかりではありません。
「ちょっと、ここはやく掃除してくださいよ」という言葉や、
「清掃員は階段を利用してください」とエレベーターに貼られた貼り紙。
思わず考えてしまいます。ここでは私、透明人間なの?って。生きるって、ときには苦いものだなって。

ⓒ 박숲, 노란상상
私は電気工事士のミジャです。
常に危険と向き合うけれど怖がったりしません。でも、こんな言葉を聞くと、逃げたくなることもあります。
「みてごらん、電柱にのぼってるひと、女だよ!」
「おばさんが電気工事なんてできんのか?」
でも、逃げちゃだめ。「女だからなんだっていうのさ!」辛口で言い返してやらなきゃ。

ⓒ 박숲, 노란상상
私はスタント俳優のミジャです。
撮影場所は熱気と緊張にあふれています。そこでは思いがけない事故が起こることも。
「あっ、だれかが海で溺れてる!」「助けて!」
私は勇気をだして飛び込みます。しょっぱい海水も気になりません。
「すごい、かっこいい!」 注目をあびてちょっと緊張してしまいました。

私は引っ越し業者で働くミジャです。
今日も運ぶ荷物が山積み。どんなに重い物でも、力持ちのわたしは持ち上げて運びます。
「お疲れ様、はい、みかんをどうぞ」
だれかの新居のスタートを手伝うって、甘酸っぱいみかんのようにさわやかなものです。

私は配送業者のミジャです。
宅配便が届くのを待っている人たちのために、息つく暇もなく働きます。
「暑いのに大変ね。これでも飲んでください」
差し入れてくれたジュースのおかげで、ひと息つくことができます
この甘い味のおかげで毎日を生きる私は、
今日もあしたも、幸せなミジャです。

ⓒ 박숲, 노란상상
生きるって、辛くもあり、苦くもあり、酸っぱかったり、しょっぱかったりもします。
甘やかなこともあるでしょう。
あなたのすぐ近くにいる、こうして生きている私たちは、みんなミジャです。

こんなお話でした。
タイトルの「お、ミジャ!」には、赤い木の実の「オミジャ」の意味も込められています。甘味、苦味、酸味、辛味、塩見の5つの味をもつことから 「五味子(オミジャ)」と呼ばれる実。五味子茶は気力回復の効能があるといいます。まさに、この5人のミジャさんの物語にぴったりな名前ですね。
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