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文化

「初数大葉、東の窓が」ほか

#国楽の世界へ l 2020-08-19

国楽の世界へ


朝鮮時代後期、最高の官職についていたナム・クマンという方は、カンルンという地域に島流しになったことがあります。地域の住民に学問を悟らせ、産業を奨励し、尊敬されたそうです。そのとき作った定型詩、詩調(シジョ)が、「東の窓が明るくなった」という詩です。この詩は、真面目に農作をするようにという内容ですが、もう少し深く考えてみると、全てのことに勤勉で誠実であるようにという意味もあるんです。また、世の中が変わっているので早く目覚めてこの世の流れを読み取るようにという意味でも解釈できます。今は文学作品とされますが、昔は歌で歌われたということを知っている人はあまりいないようです。詩調を管弦楽の伴奏に合わせて歌うものを、歌曲といいます。歌曲の中でも、「初数大葉(チョスデヨプ)」という曲は、この「東の窓が明るくなった」という詩調を歌う曲なんです。今日はまず、イ・トンキュさんの歌で、「男唱歌曲、ウジョ、初数大葉、東の窓が、남창가곡 우조 초수대엽 동창이」という曲をお楽しみください。


歌曲は、他の歌に比べて形式的であるのが特徴です。コムンゴ、カヤグム、テグム、ヘグム、ピリ、チャングなど、少なくても6つほどの管弦楽器をそろえて演奏します。可能であれば、ヤングムとタンソという楽器を加えることもあります。詩調は、3つの節に分けられます。歌曲は、まず前奏をしてから、詩調の最初と二番目の節を3章に分けて歌います。その後、間奏をしてから、詩調の最後の節を4章と5章に分けて歌います。これが歌曲の基本的な形式です。この歌を男性と女性が交互に歌います。最初の曲、「初数大葉」を男性が、次の曲「二数大葉(イスデヨプ)」を女性が歌う形です。「初数大葉」には初という漢字に「数大葉(スデヨプ)」が付き、「二数大葉」は数字の二に「数大葉」が付き、次の曲名は数字の三が付くという形です。歌曲は男唱と女唱に分けられる一方で、ウジョとゲミョンジョにも分けられます。ウジョは雄大で元気で和平な感じがし、ゲミョンジョは哀切で柔らかい感じがします。今度は、女唱歌曲をお聞きいただきます。愛は嘘だという内容の詩調を歌う曲です。キム・ヨンギさんの歌で、「女唱歌曲、ゲミョン、ピョンゴ、愛は嘘、여창가곡 계면 평거 사랑 거즛말이」という曲をお楽しみください。


「ピョンゴ」は、二番目の曲、「二数大葉」を変奏した曲です。この曲はもともと低く歌い始めるのですが、もともとの曲と比べて音を高く挙げて歌うということで、挙げるという漢字を付けて「ピョンゴ」と呼ぶのです。歌曲は曲名からしてとても難しく感じられます。また、ゆっくりのテンポで歌うので、歌詞が分かりづらいと言われます。反面、美しい声を十分感じられるジャンルなんです。最近はこのような歌い方をもとに、一般の人も楽しめる歌が作られています。今日の最後は、女唱歌曲「ピョンロン」という曲を新しく編曲したものです。正歌アンサンブル・ソウルジギの歌で、「この世が過ぎ去る前に、이 밤이 가기 전에」という曲をお楽しみください。この曲は、北斗七星の七つの星に願う言葉の詩調を歌にしたものです。恋しい人に久しぶりに会ったので、今夜は時間がゆっくり流れるようにしてほしいという願いがこもった歌でした。

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