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文化

「細霊山(セリョンサン)」ほか

#国楽の世界へ l 2022-02-21

国楽の世界へ

「細霊山(セリョンサン)」ほか

朝鮮時代の画家、キム・ホンドの作品に、「マサンチョンエンド」というものがあります。馬に乗っている人が、朝鮮ウグイスの鳴き声を聴くという意味です。右側には、若葉が出始めたヤナギの木に、黄色い朝鮮ウグイスが留まっています。そして、馬に乗った学者ソンビが、その姿をまるで魂が抜けたように見つめている絵です。絵には、この様子を機織りに例えた言葉も書かれています。垂れ下がったヤナギが風に揺れていて、その枝の間を行ったり来たりする朝鮮ウグイスの姿を、織機の上で左右に動きながら機織りをする様子に例えているのです。朝鮮時代末、孝明(ヒョミョン)という世子は、母の誕生日を祝い、「チュンエンチョン」という踊りを作りました。春に朝鮮ウグイスがさえずる音という意味です。朝鮮ウグイスのように黄色い服装をして踊る優雅な踊りです。そして、この踊りの伴奏音楽としては、春に新しく生えたヤナギの若葉の色を指す「柳初新之曲(ユチョシンジゴク)」という曲を演奏しました。今日は、キム・チジャさんのコムンゴと、イ・ヨンさんのピリと、チョ・ユヒさんのヤングムの演奏で、「柳初新之曲のうち、細霊山(セリョンサン)」という曲をお楽しみください。


春のヤナギといえば、川岸という意味の「ノドゥルカンビョン」という民謡があります。今でいえば、ソウルを横切る川ハンガンの川岸、ノリャンジンという場所のことで、ヤナギが多かったといいます。1930年代はじめの春のある日、漫談で有名なシン・ブルチュルさんが、作曲家のムン・ホウォルさんと共に友人の病気見舞いに行ってきたそうです。ノリャンジンの渡し場で舟に乗って川を渡ろうと待っていると、ある船頭が歌を歌いました。日差しは温かく、涼しい川の風がヤナギの枝を揺らす様子が、まるで踊っているかのように見えます。二人は飲み屋に入り、シン・ブルチュルさんは歌詞を、ムン・ホウォルさんは作曲をしました。そのようにしてできた音楽が、「ノドゥルカンビョン」です。植民地の苦痛を表現した曲として、当時大変な人気を博しました。それでは、キム・ヨンウさんの歌で、「ノドゥルカンビョン」という曲をお楽しみください。


パンソリ「フンボの歌」では、フンボがツバメの脚を治してあげたおかげでお金持ちになる場面があります。このお話を聞いた悪者の兄ノルボは、自分もツバメの脚を治してあげてお金持ちになろうとしました。ところが、脚が折れたツバメがどこにでもいるわけではありません。ノルボはツバメを捕まえるために出かけますが、ツバメが見当たらないので、ウグイスまで捕まえてしまうのです。「楊柳歌(ヤンリュガ)」という曲は、このお話を新しく構成した曲です。今日の最後は、音楽グループナムの演奏で、「楊柳歌」という曲をお楽しみください。この曲名は、ヤナギを指す漢字を組み合わせたものです。「楊柳歌」は、春の風景を華やかな拍子で表現しています。特に、テグムのメロディーが、ヤナギの合間を動き回る朝鮮ウグイスのように聴こえる曲でした。

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