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文化

「表正萬方之曲のうち、細霊山(セリョンサン)」ほか

#国楽の世界へ l 2022-11-21

国楽の世界へ

「表正萬方之曲のうち、細霊山(セリョンサン)」ほか

伝統音楽は、大きく正楽(チョンアク、せいがく)と民俗楽(ミンゾクアク、みんぞくがく)に区分します。正楽は、普通は中人以上の階級の、ある程度学問を修めた人々が楽しんだ音楽です。正楽はゆっくりの速度で、拍子の変化も多くなく、一定の形式を備えて演奏します。そんな正楽の中で大きな部分を占めるのが、「霊山会相(ヨンサンフェサン)」という曲です。もともとは、「上霊山(サンリョンサン)」から軍楽に至るまで、9曲の短い曲で構成され、多様な方法で演奏します。カヤグムやコムンゴのような弦楽器の音色を目立たせる、小規模の室内楽で演奏するのは、「弦楽霊山会相」といいます。一方、宮中の宴会などで演奏する音楽では、大規模な編成で演奏したり、管楽器だけで演奏する場合もあります。カヤグムやコムンゴを除いて管楽器だけで演奏する曲を、「表正萬方之曲(ピョンジョンマンバンジゴク)といいます。楽器の数に差があるだけでなく、楽器の編成によって拍子や構成も変わりますし、楽器の使い道も違います。今日は、まず、国立国楽院正楽団の演奏で、「표정만방지곡(관악영산회상) 중 세령산、表正萬方之曲のうち、細霊山(セリョンサン)」という曲です。


弦楽器の霊山会相は、音楽が好きな者同士が集まって演奏する風流の楽しみ方であった反面、先ほどの管楽器の霊山会相は主に宴会などで食事が出るときの演奏や踊るときの伴奏音楽として用いられました。霊山会相という言葉はもともと仏教から由来します。霊山とはインドの山を指し、仏が弟子を集め、説法を説いた場所です。このとき、人の目には見えない色んな菩薩もいたといいます。この霊山での集まりを、霊山会相と言いました。仏教の声楽曲の歌詞から、霊山会相がはじまったと言われます。「霊山斎(ヨンサンゼ)」という仏教の儀式は、2009年にユネスコ人類無形文化遺産に登録されました。亡くなった人が極楽に行くことを祈願する儀式です。仏教の四十九日は状況に合わせて色んな儀式で行われますが、中でも「霊山斎」は最も盛大な儀式です。今度は、「霊山斎」の中で歌う梵唄のうち、地獄の門が開かれて苦しんでいた衆生が解放されることを祈願する歌です。トンヒ僧侶の歌で、「범패 중 지옥게、梵唄のうち、地獄偈」という曲をお楽しみください。


短歌は、伝統芸能パンソリの公演が本格的にはじまる前、歌い手が喉の調子を整えるために短く歌うものです。色んな拍子を使って多様な感情を表現するパンソリと比べて、短歌は遅くも速くもない、ひとつの拍子で淡々と歌うのが特徴です。内容は、素晴らしい景色や歴史的な英雄のお話です。短歌をなぜ霊山と言ったのか、その理由は知られていません。ただ、1800年代、短歌を聞いて作った「霊山先声(ソンサン)」という名前の詩と関連があるのかも知れません。今日の最後は、チョ・サンヒョンさんの歌で、「단가 사철가、短歌、四節歌」という曲です。「霊山先声」のソンサンとは、先に歌う歌という意味で、パンソリより先に歌うということです。歴代の王様や有名な場所などを歌います。でも、最近は、日常の暮らしを歌う短歌をもっと好む傾向があるようです。

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