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文化

「エホリスンゴヤ」ほか

#国楽の世界へ l 2023-08-01

国楽の世界へ

「エホリスンゴヤ」ほか
朝鮮時代中期、林慶業(イムギョンオプ)将軍は、清が朝鮮に攻め込んできた際、大きく活躍した方です。彼が清を攻略するため中国に向かったとき、延坪島(ヨンピョンド)という島にしばらく留まったことがあります。騒がしい中、食糧を十分に準備することができず、兵士らが食べるものが無くなってしまいました。将軍は落ち着いて、付近からいばらを集め、干潟にぎっしりと指しておくように命じました。そして、上げ潮が過ぎてから行ってみると、いばらにイシモチがぎっしりと引っかかってあったとのことです。その時から、西海岸地域では、将軍をイシモチを獲る神として称えるようになりました。漁師は年のはじめ、安全にイシモチが獲れるようにと、将軍をはじめあらゆる神を招き、豊漁を祈願する祭祀、豊漁祭(プンオジェ)を行います。今日の最初は、西海岸地域の祭祀グッの歌をご紹介いたします。

豊漁祭は、海辺の村のお祭りです。村の人々が共にグッを準備し、グッが始まると共に楽しみ一丸となるのです。グッを主管する巫女ムーダンだけでなく、漁師も歌を歌い共に参加しました。今度は、鵬旗(ブンギ)豊漁の歌です。鵬旗は、鳳凰が留まる竹という意味で、長い竹の先を割って、お花や旗をかけておくものです。もともとは、漁獲物をしまっておく魚倉にさしておき、お魚をどのくらい獲ったのか予測する用途のものです。でも、お魚をたくさん獲って陸地に戻るときは、待っている人に知らせるために鵬旗を立てました。豊漁祭をするときも、竹を立てて、櫓をこぐ歌やお魚を運び上げるときの歌などを歌い楽しみます。今度ご紹介する曲は、海に網をおろしてから引き揚げ、獲ったお魚を道具ですくって魚倉に入れるときの歌です。仕事そのものは単純ですが、大変な作業です。網にぎっしり詰まったお魚をみると満足する気持ちになり、疲れることも忘れ仕事をしたことでしょう。だからなのか、歌にも力があります。

昔の漁師は、小さな木の舟に乗って海に出たので、海に出る度に、これが最後かも知れないという覚悟をしたはずです。海辺の村では目に見えない神に頼って祭祀グッを行ったり、してはならない行動も多かったようです。陸地で待っている家族も、無事に帰ってくるまでは、不安な気持ちでいたでしょう。お魚をたくさん獲って帰るときは、漁師も家族もどんなに喜んだことか分かりません。舟いっぱいにお魚を獲ると、陸地に到着する前から予め歌を歌い、無事に戻ったことを知らせます。その時の歌を、「ベチギ」といいます。漢半島の北から南まで行ってイシモチを獲り、また、延坪島に行って獲るという内容です。海にあるイシモチは全て獲ってしまうという勢いです。そして、漁をするときは、少なくとも雌と雄一組は残しておいてこそ、子孫が食べる分のお魚を残せるという内容もあります。

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