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文化

「ジゲ、オサヨン」ほか

#国楽の世界へ l 2023-10-17

国楽の世界へ

「ジゲ、オサヨン」ほか
韓国の昔話には、木こりがよく登場します。たき口に火を付けて暖房をし、料理もしていたため、燃料を備えておくのが重要だったからです。村中の人々が薪を必要としながらも、近くの山には適当なものが多くなく、山は持ち主がいたためむやみに入ることもできませんでした。そのため、村から遠く離れたところの山奥に行き、薪を取ってきて売る、一種の専門職の木こりが登場したのです。村にトラが出るような時代のことです。山奥に入るとトラやイノシシ、キツネなどの野生動物が多かったため、とても怖かったはずです。山奥で一人で仕事をすると、寂しい気持ちにもなったでしょう。それで、一人で歌を歌いながら作業をしましたが、このときの歌を、「オサヨン」といいます。身の上を嘆く歌詞を、まるで山道を歩くようにくねくねと歌うのが特徴です。

ジゲとは、荷物を載せて背負う木製の器具です。体格が良い男性だと、50キロから70キロの荷物を背負うことができるといいます。あまりにも重たいため、ジゲを背負って立ち上がるとき、杖のようなものを使います。この棒を松葉杖という意味の、ジゲモクバルといいます。「オサヨン」を歌うとき、この棒でジゲを叩き拍子を合わせたということで、「ジゲモクバルの歌」ともいうんです。「オサヨン」という言葉は、仏教の音楽、梵唄とも関連があるものと推測されます。梵唄を言い換えると、「オサン」ともいうからです。力強く歌いながらもくねくねとした点や、山間地域の歌い方で素朴なリズムを哀切に歌う点など、似ている面が多くあります。「オサヨン」には、カラスに対して身の上を嘆く「コクマルガラスの歌」があります。カラスは不吉な鳥だと思う方が多いですが、昔は未来を予言する神聖な鳥とされたそうです。だから、神を迎えるときの歌が、仏教の影響を受けて木こりの歌になったのではないかと推定する人々もいます。今度ご紹介する、「ボンドギタリョン」という曲は、夫を亡くした未亡人がボンドギという娘を探し歩く内容です。

若くして未亡人になった女性が娘を探す内容です。歌を聴く人々も、娘を探すためにあらゆる苦労をする未亡人の姿にため息をついてしまいます。今日の最後は、「ボンドギタリョン」をモダンに編曲した歌です。一生懸命働いても貧しいままの現実を嘆く気持ちが、未亡人の歌になったという見方もあります。または、遊んでばかりいるように見える上流階層ヤンバンに対する不満の表れかも知れません。

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