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ライフスタイル

あなたはテレビ派、それともOTT派?

#マル秘社会面 l 2023-06-21

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

あなたにとってのメデイアとは何ですか? 昭和生まれの私にはメデイアと言えば断然、テレビと新聞でした。しかし今の若者たちにとってメデイアといえばOTTのようです。OTTとはオーバー・ザ・トップ・メディアサービスのことでインターネットを通じて提供されるメデイアです。代表的なのがネットフリックスです。

情報通信政策研究院(KISDI)が19日に発表した報告書「MZ世代のメデイア利用特徴」によれば各世代ごとにテレビやOTTの視聴時間に大きな差があることが分かりました。この調査ではそれぞれの年代をベビーブーム世代、ミレニアム世代、Ⅹ世代、Z世代に分けています。ベビーブーム世代は1964年以前に生まれた60代以上の世代、Ⅹ世代は1965年から1980年に生まれた43歳から59歳までの世代、そしてミレニアム世代というのは1980年から1996年までに生まれた現在42歳から27歳までの世代、そしてZ世代が1996年以降に生まれた世代のことです。20代、30代、などという数字ではなく、かなり細かく分かれていますが、それだけ各世代ごとにはっきりした特徴があるということです。

まずベビーブーム世代は一日にテレビを4時間以上視聴しています。そしてテレビショッピングを楽しんでいるのもこの世代が一番多く39.5%の利用率でした。60代以上の世代にはテレビは今でも暮らしの中でなくてはならない存在のようです。一方、ミレニアム世代とZ世代、つまり42歳から下の世代では一番大切なメデイアはスマートフォンで、一日平均3時間以上スマートフォンを使っていました。またこの世代はOTTの利用時間も長く、20代以下は1日に平均1時間25分、その上の世代は1時間17分見ていました。

そしてOTTの利用媒体数は全体的に平均1,2個でした。これはネットフリックスやアップルテレビなど、いくつの媒体を利用しているということです。一方、SNS(ソーシャルネットワーク)に関しては20代以下のZ世代が一番長く利用しており、1日平均51分でした。それに対して60代以上は25分、ほとんど半分だと言えます。またモバイルショッピング、オンラインショッピングを楽しんでいるのは40代から20代までが多く、全体の92.4%、圧倒的多数がオンラインショッピングを楽しんでいました。60代以上のベビーブーム世代がテレビショッピングを利用しているのとは対照的だと言えます。

よく使用するメデイアが世代ごとにこれだけ違うと、それぞれのメデイアを視聴する時間にも差が出てきます。ベビーブーム世代の家庭用テレビの視聴時間は4時間13分でした。そしてその下の世代はそれぞれ1時間ずつ差がついていました。Ⅹ世代は3時間、ミレニアム世代は2時間、Z世代は1時間というように、年齢が下がるほどテレビを視聴する時間も減っています。

また一日のスマートフォン使用時間が一番長かったのは、OTTとSNSの利用時間が多かったZ世代20代以下でした。つまりこの世代はOTT、ネットフリックスなどの映像コンテンツやSNSをすべてスマートフォンで見ているということです。反対にベビーブーム世代のスマートフォン利用時間は20代の半分でした。ただスマートフォンの所有率はミレニアム世代の40代、30代は100%、その他の世代でも全部90%以上で、60代以上のベビーブーム世代でも94%と非常に高い水準でした。

この報告書を発表したKISDIの研究委員は「MZ世代40代以下の世代はスマート機器の保有と多様なメデイアサービスの利用に慣れている世代です。スマートフォンとインターネットを通じて多様なコンテンツに接し、消費するのに慣れています」と説明しています。結局、テレビ離れが若者層だけでなく40代以下全体ではっきりと表れていました。しかしユーチューブなどの媒体を通じた刺激的な内容、フェイク・ニュース、個人のプライバシーの侵害など問題も起きています。信じられるメデイアと言われてきたテレビや新聞がその立ち位置をどんどん失っていく現実には、正直憂慮が募ります。

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