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ライフスタイル

所得と寿命の関係

#マル秘社会面 l 2023-07-05

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
「ハンキョレ新聞」に興味深い記事が載っていたのでご紹介しましょう。何かといいますと「人間の平均寿命、健康寿命は大金持ちでも中産階級でもたいして違わない」ということです。がむしゃらに働いてお金を稼いでお金持ちになっても、適当に働きのんびりして暮らしても結果は同じ、死の前では人間は平等です。
詳しく見ていきましょう。韓国健康公平性学会が発表した「全国17広域市、道別の健康寿命、および世帯所得上位20%と下位20%の健康寿命の格差」によれば、すべての地域で所得上位20%の人の方が、下位20%の人よりも長生きしていました。地域や性別により差はあったものの上位グループは下位グループよりも3年から、最大9年長生きし、健康寿命もやはり最大で14.8年も長くなっていました。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
2023年5月19日にWHOが発表した2023年版の世界保健統計によりますと、平均寿命が最も長い国は日本で84.3歳でした。そして韓国は3位の83.3歳、ちなみに女性の平均寿命を見ると日本が1位の86.9歳、2位が韓国で86.1歳でした。また男性は日本が2位の81.5歳、韓国は16位の80.3歳でした。では健康寿命はいつまでか、日本は74.1歳、韓国は73.1歳でした。そしてこの健康寿命において韓国では所得上位グループと下位グループでは最大14.8年も差がありました。つまり所得の高い、お金持ちは健康で長生きできるということです。反対に所得が低い人ほど、体を酷使し病気になっても生活に追われてなかなか治療を受けられず短命だということでした。。
では長生きするためには、ひたすらお金を多く稼ぐべきなのでしょうか。ところがそれがそうではありません。韓国統計学会が2017年に発刊した「国民健康保険の標本コホートデータベースを用いた韓国人の健康期待寿命の研究」によれば所得と健康・寿命が比例関係を示すのは事実ですが、所得が増えるほどその傾きは穏やかになっていました。所得上位グループは下位グループより平均寿命、健康寿命ともに長くなっています。しかし下位21%以上~上位31%以下の所得中位グループの平均寿命と健康寿命はその上の上位グループとほとんど差がありませんでした。つまり貧困の一定線を超えれば、その後は所得の多さ、少なさが寿命や健康に与える影響は少ないということです。
つまり多く稼いでお金持ちになれば長生きでき、健康でいられるのではなく、基本の下限ラインを超えさえすれば人間は健康で長生きできるということです。今回ご紹介したのはあくまでも所得と長生きとの関係です。運動とか食事などの別の要素が入って来るとまた話はややこしくなりそうですね。

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