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ⓒ Getty Images Bank
8月14日は週6日の長時間労働をしている宅配労働者を保護するための「宅配の無い日」でした。今年は日曜日の13日から15日の光復節の公休日まで合計3日間が連休となり、配送業務を行わず宅配労働者全体の80%にあたるおよそ5万5000人が連休をとることができました。
韓国の宅配業者は2021年末基準で、全国配送網を持つ郵便局を含む大手宅配業者5社と地域中心の20余りの中小宅配業者が営業中です。国内の総宅配物量はコロナ禍の2020年が33億7000万件で、2012年の14億件と比べると2.4倍成長しました。また国民1人当たりの年間宅配利用件数は65件で、日本の35件の2倍に肉薄します。2020年の総売上額は7兆4000億ウォン、現在はさらに増加していると見られます。2020年の世論調査において「宅配サービスを受けられなければ、生活は非常に不便になる」と答えた人は82.2%に達していました。
そんな宅配になぜ「宅配の無い日」が生まれたのか。「宅配の無い日」が生まれた理由は宅配労働者の休暇保障のためです。2020年コロナ禍に伴う非対面消費の拡大により宅配ドライバー一人当たりの平均配送件数は前の年の247.3件から313.7件に、26.8%増加しました。そしてこの年、過労死と推定される宅配ドライバーの死亡件数が上半期だけでも12人に達しました。宅配労働者は日曜日と公休日以外は休暇をとることが難しい構造だと指摘されています。産業安全保健法によれば宅配員として配送業務をする人は特殊雇用労働者に分類されます。委託契約なので月給はなく、働いただけ稼げるというシステムなので、宅配ドライバーは休みたくてもなかなか休めません。そのため2020年に全国宅配連帯労働組合が宅配労働者の休暇を保障して欲しいと言う要求を出し、韓国統合物流協会と雇用労働部が8月14日を公式休務日として16日までの3日間の連休を保障しました。今年はCJ大韓通運、韓進、郵便局などの大手宅配業者は日曜日の13日から公休日の8月15日光復節まで宅配の配送と物品の集荷、分類、輸送などの宅配関連業務を中断することにしました。
市民の間では「宅配の無い日」について「この猛暑の中、宅配のドライバーたちも休養が必要だ」と共感する意見と、「不便だ」と不満を漏らす声がありました。
30代の会社員の男性は「コロナ禍を経て分かりましたが、宅配のドライバーは韓国社会の必修マンパワーです。きちんとした待遇をすべきです。拡大施行されるように支持します」と宅配の無い日の趣旨に共感しています。20代の会社員の女性も「土曜日まで配送してくれるので、ドライバーの皆さんはいつ休むのかと思ってました。宅配の無い日は必要だと思います」と言っています。
宅配業務は16日から再開されます。でも顧客の手に届くにはさらに1-2日ほどかかりそうです。そのため不満の声もでています。個人事業主の30代の女性は「宅配の無い日の趣旨や宅配の仕事が大変なことは理解しています。しかし正当な代価を受け取り、本人が望んで働いているのに特定の職業群にだけ休日を指定すると言うことは原則的に公平ではない気がします」と述べています。
また「宅配の無い日」にすべての会社が休んでいるわけではありません。クーパンやマーケットキャリーなどのオンライン流通業者は普段通りに配送しており、コンビニの宅配も営業します。これらの会社は独自の宅配専門子会社や流通センターを所有しており、そこで品物の集荷や分類などをしているからです。これらの会社は「宅配の無い日」には参加しませんが、自社のドライバーたちは一年365日、いつでも休暇をとることができると主張しています。またコンビニ大手のCUによれば去年は宅配の無い日に、コンビニの宅配需要が急増したということで、CUでは今年はさらに積極的に自社の宅配を利用するように宣伝しています。
今や社会に無くてはならない存在となっている宅配。この夏、猛暑のニュースには必ず野外で苦労する人として宅配のドライバーが登場していました。

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