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ライフスタイル

「가성비(カソンビ)」ではなく「가잼비(カチェムビ)」の時代

#マル秘社会面 l 2023-11-08

玄海灘に立つ虹

ⓒ Burgerking, LOTTE WELLFOOD, GS25
韓国には「カソンビ」という言葉があります。「価格対比性能」と言う意味で、金額にあった性能や満足感が得られた時に「カソンビ」が良いと言います。しかし最近「カソンビ」ではなく「カチェムビ」の時代になったようです。「カチェムビ」とはチェミ、「価格対比面白さ」ということで、金額にあった面白さが重要になっています。特に食品や流通業界では、その影響が大きく出ており、商品の名前を長くしたり、商品の大きさをやたら大きくしてみたりして、面白さを追求する製品が人気を得ています。
例えばバーガーキングは今年4月、商品名が39文字になる長い名前のハンバーガーを発売しました。「クァトゥロ・マキシマム・ミート・ホーカスト・アメイジング・アルテイミト・グリルド・ペティ・オーブン・ビゲスト・フォー・スーパー・ミート・フリーク」というやたら長い名前のハンバーガーです。牛肉のパテが3枚重なっているハンバーガーですが、売り場ではあまりに名前が長いので 「クァトゥロ・マキシマム以下省略」と注文するそうです。ロッテは既存のチョコパイの大きさを大きくアップしたビックサイズのチョコパイを発売しました。チョコパイ1個の重さが40gだということで、他のメーカーのチョコパイが28g 35g くらいなので、確かにビックサイズに見えます。
このような商品は20代、30代向けのものです。この世代の消費習慣は面白さを追求するために消費するというものです。SNSを通じて面白い製品を見つけ、 SNSを通じて共有していきます。単純に製品を購入するだけではなく、自分の消費経験を再生産するので、企業の立場としては実にありがたい消費者です。
そのため企業は面白さと経験を同時に追求するこの世代に向けて、若者層に人気のあるキャラクターと商品をコラボしたキャラクターマーケティングを繰り広げています。代表的なのがサンリツパンの「ポケモンパン」でした。最近ではロッテ製菓がサンリオとコラボした風船ガムを出しましたが、これはロッテの既存の風船ガムにサンリオの70種類のキャラクターのついたパッケージを加えたものです。コンビニを訪れた女子高校生は「気分転換用にサンリオのキャラクターのついた製品を買っている。可愛くて、人気のあるキャラクターがついていれば、キャラクターの無い製品よりも手が伸びる」と語っています。
コンビニ業界はキャラクター商品だけではなくスポーツ業界とも手を組んでいます。セブンイレブンは韓国プロサッカー連盟の協力を得てKリーグの選手カードを発売しました。Kリーグの人気選手100人とレジェンド選手7人の写真で構成されたKリーグカードです。このカードを10パック以上買い、スタンプを積み立てれば抽選でサッカー選手のユニフォームと国際サッカー連盟FIFAの公式サッカーボールがもらえるというイベント付きです。このKリーグカードは発売と同時にセブンイレブンの全商品の中で売上第3位に躍り出て、発売からわずか10日で100万個以上売れました。
またアイデア商品を販売し、年商100億ウォンを達成した企業もあります。この会社のヒット商品は2020年に流行した「 雪アヒルシャベル」 です。雪が降った翌日、アヒルの型をしたシャベルのようなもので、雪だるまならぬ雪アヒルを作る若者たちが急増しましたが、その時に使われていたのがこの雪アヒルでした。その他にもこの会社では魚の形をしたスリッパなど、いったいなんで人気があるのか分からないようなアイデア商品を次々にだしてはヒットさせています。
専門家は「今の20代、30代は消費で余暇、面白さを追求するのに慣れた世代だからだ」と分析しています。ただそれを豊かな消費生活が産んだものだと見るよりもむしろ「単調で息苦しい生活の中の突破口を見つけるための、簡単な手段としてこのような消費傾向が表れているのだ」と専門家は説明しています。面白ければ買うという消費スタイル、確かにこれまでとは違ったものかもしれません。

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