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ライフスタイル

韓日中の空港利用の特徴は

#マル秘社会面 l 2023-12-06

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
来年には空港を利用する旅行客の数がコロナ禍以前の水準に完全に戻るだろうという展望もでています。そんな中、仁川空港が興味深い調査をしました。韓国人、日本人、中国人が仁川空港で主にどんな施設を利用しているのか、空港の利用実態に関する調査です。仁川国際空港公社産業技術研究院の「2023韓日中旅客の仁川空港旅客利用特性調査」といいます。この調査の結果、まず韓国人はとにかく食事、食堂の利用が目につきました。多くの韓国人はチェックインの前後に必ず食堂に行っていました。そして仁川空港へ行く前に確認するのも空港内の食堂情報でした。また面白いのは海外からの帰国後も空港で食事をしていく人が多いことでした。一方、日本人と中国人は食堂ではなく、カフェで軽くコーヒーや飲料水を飲んでいました。本格的な食事はしないということです。
では空港内の免税店の利用はどうでしょう。免税店のお客は圧倒的に中国人が多くなっていました。中国人の免税店訪問後の購買比率は75%、空港に到着する前から免税店を検索するなど関心も高くなっていました。では何を買っているのか。中国人は免税店で化粧品・香水を主に購入し、それは全体の56.8%にも達します。支出金額も1人平均26万7822ウォン(およそ3万円)で3カ国の中で最も多く買っていました。次が韓国人で19万ウォン。買っているのは市内よりも安いタバコが主流でした。日本人の免税店での支出は16万1503ウォンで、購入しているのは食品・菓子などのお土産類でした。仁川国際空港公社の関係者は「中国人はコロナでマスク着用が長期化しメークアップ化粧品で個性を表現するのが難しくなると、その需要が香水に移動しました。半面、日本人は旅行後に会社の同僚などに配るお土産文化の影響からでしょうか、食品と菓子を主に購入していました」と語っています。
次に仁川空港を利用した年齢を見てみると、韓国人と中国人は若い人が多く、韓国人は51.1%が、中国人は63.3%が20代、30代でした。それに対して日本人は40代、50代の女性が多いのが特徴で全体の46.5%を占めていました。仁川空港までの交通手段にも国ごとの差がありました。韓国人と中国人は空港バス、リムジンバスを主に使用していました。それに対して日本人は電車に慣れているせいか空港鉄道の利用者が多いのが特徴でした。仁川空港ではこの調査の結果をもとに、今後利用客の特徴に合わせたマーケティングをしていくとしています。中国人は免税店でのショッピング、韓国人は食堂での食事、そして日本人は合理的で実利的な消費が特徴なので、それに合わせたマーケティングをするということです。
一方コロナ禍前2019年の資料ですが、日本の空港の中でどこの空港が一番よく利用されているかという調査結果があります。入国者数が一番多いのは成田空港でした。国際線の発着便数、就航都市数、乗り入れ航空会社数などが一番多いので当然の結果でしょう。そして2位が関西国際空港、3位が羽田空港でした。
しかしこれをアジアからの入国に限ってみると結果は違ってきます。韓国、中国、台湾、香港からの入国者数の1位は成田空港ではなく関西国際空港でした。これはアジア圏に限った結果です。その理由としては運航便の多さが挙げられます。韓国、中国、台湾、香港との定期便数は関西国際空港が一番多くなっています。また関西国際空港がLCCの就航数が多いことも利用者が多い理由の一つとなっています。特に韓国のLCCが多数就航した2015年以後は大阪が日本の中で韓国人が一番多く訪れる都市1位を維持しており、2位が福岡、東京は3位、そして京都が4位です。
また中国からは成田空港、関西国際空港、羽田空港以外に中部国際空港も利用客が多くなっています。中部国際空港はコロナ前までは中国の19の都市と路線があり、そのため中国各地から中部国際空港を通じて日本に入国する人が多かったようです。コロナ禍が過ぎ本格的に海外旅行をする人が増えてきました。しかし日本から韓国に来る旅行者の数はまだコロナ禍以前には及びません。そして中国との間は、日本と中国、韓国と中国、どちらもまだ本格的な回復はされていません。来年こそ、海外旅行がコロナ禍以前の水準まで完全に回復して欲しいものです。

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