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ライフスタイル

韓国会社員の通勤時間

#マル秘社会面 l 2024-01-10

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
去年12月22日のニュースでもお伝えしましたが、韓国人の通勤時間の中で首都圏に住む会社員の通勤時間が一番長く、1日平均1時間23分(83分)であることが分かりました。そして毎日通勤する韓国の会社員の4人1人は満員バスや地獄鉄と呼ばれる地下鉄のラッシュアワーを避けるために午前7時前には家を出ていることが分かりました。「アーリーバード(早起き族)」です。
韓国統計庁が通信大手SKテレコムの712万人のデータを分析したところ、7時前に家を出る人が通勤する人の24.6%をしめ、午前8時までに家を出る人まで合わせると、50.8%に達していました。統計庁が通勤時間と移動距離を具体的に調査発表したのは今回が初めてです。首都圏の会社員の通勤時間が一番長い83分だと言いましたが、これは朝夕、往復の時間です。ですから片道にすると平均40分くらいで、移動距離は20.4キロでした。これを全国平均で見ると34.7分、距離にすると18.4キロでした。
では日本ではどうなのか。日本も朝夕のラッシュアワーには満員の地下鉄や電車で皆さん、苦労をしてますよね。2021年に日本の総務省が実施した社会生活基本調査によると日本全国の会社員の通勤時間は往復で一日平均79分(1時間19分)でした。しかし東京周辺の通勤時間は全国の中で最も長く、神奈川県が全国一の100分でした。東京都と千葉県も95分だったということです。ちなみに中国の北京も通勤時間の往復は94分だそうです。25歳未満の会社員の80%が一日最低でも90分を通勤時間に費やしており、上海では80分だそうです。北東三カ国の会社員の通勤時間、どこも片道40分以上はかかっているということのようです。
このような朝夕の通勤の際の疲労感は想像以上だという研究結果も出ています。仁荷大学病院のイ・ドンウク教授の研究チームによると、通勤時間が一日60分以上の人は、通勤時間が30分未満の人に比べ、うつ病を発症する可能性が1.16倍高いということです。「通勤はそれ自体が心理的・肉体的ストレスを誘発するだけでなく、時間的余裕を奪うため、健康に悪い影響を及ぼす可能性がある」と研究チームはその理由を説明しています。
うつ病まで発症させるような通勤のストレス。それを少しでも減らすためには通勤時間を減らす工夫が必要ですが、会社の近くに引越すこともその一つの方法です。昔の資料ですが2013年の韓国交通研究院のデータによれば当時の通勤1時間の金銭的価値は月94万ウォンほどでした。10年が過ぎた現在の物価上昇率を考慮すると2023年の通勤1時間の金銭的な価値はおよそ103万ウォンだと推算されます。2021年のソウルのアパートの1カ月の平均家賃が124万ウォンでした。ですからソウルのアパートの1か月の家賃分くらいの価値を会社員たちは通勤の際に費やしていると言えます。最近ではソウルの住宅価格の高騰により首都圏、仁川や京畿道に引越す人が増えています。仁川などからソウルに通う会社員は最高往復2時間35分(155分)もかかっている人がいます。2017年の統計庁の発表によれば首都圏など地方に住み、ソウルに通勤通学している人は150万人に達し、その中の30%が一日2時間以上を地下鉄の中で過ごしているといいます。韓国政府は2021年12月「第2次国家基幹交通網計画」を発表し、30年までに通勤に掛かる時間を30分台後半まで減少させる方針を示しています。
その方法の一つとして漢陽大都市工学科の李昶武(イ・チャンム)教授は「過密開発を懸念して郊外にばかり目を向けるのではなく、ソウルでも職場が密集するエリアの周辺では住居の供給量を増やすなど、(職場への)接近性を高める政策が必要だ」と指摘しています。また在宅勤務を積極的に取り入れるべきだという声もあります。コロナ禍期に増加した在宅勤務制度、しかしコロナ禍が過ぎた今、朝夕の地下鉄のラッシュを見ていると通勤人口はすでにコロナ前に戻ったようです。

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