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白い卵
鳥インフルエンザの影響で鶏卵が不足し、旧正月に向けて鶏卵不足を解消しようと政府がアメリカから鶏卵を輸入しました。ところが、その輸入卵の殻の色が「白い」ということで話題になっています。
今月11日、アメリカから初めて鶏卵が空輸され、その様子がニュース番組などで報じられましたが、この時輸入された卵の殻が白いということが注目を集めました。韓国では、卵の殻は茶褐色が一般的で、白い殻の卵はあまり流通していません。(韓国では鶏卵のうち99%が褐色) 殻の色の違いは、卵を産む鶏の品種の違いからくると言われています。韓国で主に鶏卵を生産している鶏はニューハンプシャー種、アメリカからやってきた卵を生産しているのは白色レグホーン種です。
現在は茶褐色が主流となっている卵ですが、以前は白色が主流だった時代がありました。江原大学のイ・ギュホ教授が1998年に発表した論文によると、1970年代までは韓国で飼育されている産卵鶏のうち約9割程度が白色品種だったとのことです。というのも、第二次世界大戦以降、白色品種は生産能力が高く、飼育費用があまりかからないということで重宝されたのでした。ところが1970年代に茶色産卵鶏の品種改良が集中的になされ、生産性や飼育費用の面で白色品種に劣らなくなってきました。これにともなって、世界的に20%台に過ぎなかった茶色産卵鶏を飼育する比重が韓国内で次第に増えていきました。それは、1975年に14%だったのが86年には60%、そして、91年には98%に達するほど速い速度で増加しました。品種改良されてから茶色系の方が所得増大効果が大きくなったためです。また、80年代から90年代にかけては「茶褐色の卵は地鶏が産んだものである」というマーケティングを行ったうえ、国民の漠然とした「白色より茶色を好む(たとえば、上白糖より黒糖の方が健康によさそうと考える)」傾向と相まって、茶褐色の卵が幅を利かせていったと見られます。そして、販売する側からしても、茶褐色の殻は汚れが目立ちにくいうえに、厚さが平均0.6ミリと、平均0.4ミリである白色の殻より強度が高いため、流通するのに都合がいいと言えます。
これらの理由で、以前白色が主流だった卵は今やほとんどが茶褐色になってしまいましたが、これらは消費者や販売者の都合にあわせて作られた状況であり、また、殻の色による栄養の違いはほとんどないそうです。

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