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ピープル

フェスティバル企画者、ハン・ギル

2016-08-09

7月28日から31日までの4日間、ソウル市庁前の広場、ソウル広場にはかわいい傘やウォータースライダー、大きなビニールプールなどが設置され、市民に公開されました。ただ水遊びをしてもらうためのイベントではなく、雨水が大切な水資源の一つであることを知ってもらうために開かれた第1回雨水フェスティバルです。イベント会場には、雨水博覧会のブースも設置され、雨水の管理とリサイクルの仕組みなど、水の循環について紹介しています。



ソウル広場の雨水フェスティバルを企画したのは、今年43歳になる「ムオンガ企画」の代表、ハン・ギルさんです。「何か」という意味の韓国語「ムオンガ」という名前のようにハン・ギルさんの頭の中にはいつも新しい「何か」がいっぱい詰まっています。水鉄砲フェスティバル、血液型オリンピック、カップル・ラン、漢江(ハンガン)布団映画祭など、韓国で開かれているユニークなイベントのほとんどがハン・ギルさんのアイデアから生まれたと言っても過言ではありません。

ハン・ギルさんが初めて「ムオンガ=何か」を企画したのは高校生の時でした。せっかく集まってもこれと言ってやることのない友人たちのために文化の集いを企画したのです。その後、全南(チョンナム)大学に進学した彼は文化連合サークルの会長を務めながら、大学生のための文化空間のない大学周辺の雰囲気を変えるため、大学生が中心となる公演など小さなフェスティバルを企画しました。また、学生寮で生活していた彼は学園祭で学生寮ならではのパフォーマンス、布団映画祭をはじめ、フリーマーケットやビーボーイ・ストリートダンス、ロックフェスティバルなどさまざまなイベントを企画しながら、人は大勢が集まってアクティブな何かをすると楽しくなるということを知りました。



大学を卒業したハン・ギルさんは文化運動団体を作り、文化関連のアイデアを次々と実践に移していきました。今から3年前の2013年7月、名門私立大学が集まっているソウルの新村(シンチョン)で開かれた水鉄砲フェスティバルはフェスティバル企画者、ハン・ギルさんが注目されるきっかけとなりました。若者の街と呼ばれる弘益(ホンイク)大学界わいや、さまざまな国の文化が集まっている梨泰院(イテウォン)などに押され、活気を失ってしまった新村を復活させるイベントを企画してほしいという依頼を受け、「ムオンガ」の企画チームは子どもの頃に戻って水鉄砲で涼もうと考えたのです。新村で開かれる水鉄砲フェスティバルにはその日のうちに8千人がフェイスブックを通じて参加を申し込みました。4回目を迎えた今年の水鉄砲フェスティバルには3万人が参加しました。イベント参加者は新村を占領した海賊を倒すために水鉄砲で武装した正義の味方という設定です。この3年間でフェスティバルの規模は大きくなり、消防署の協力で、水鉄砲より強力な放水砲も登場するようになりました。

新村で開かれた水鉄砲フェスティバルを見事に成功させたハン・ギルさんは都会の遊び、都市の中のフェスティバルの可能性を感じています。毎日通りすぎる殺風景な都市、街が、ある日、公園のような遊びの空間に変わったことに人々は熱狂するのだと気づいたのです。2013年の秋、ハン・ギルさんは光化門(クァンファムン)で血液型オリンピックを開きました。1200人が参加し、見物客まで合わせて5千人が集まった血液型オリンピックは、血液型でチームを分けてあみだくじや縄跳びなど、簡単に遊べるゲームで構成し、大人も子どももカラダを動かして遊べる楽しいイベントになりました。



ユニークなアイデアと企画で注目されているハン・ギルさんは今年も忙しい毎日を送っています。8月12日から14日までの3日間、ソウルのシンボルといえる川、漢江(ハンガン)でハン・ギルさんが企画した漢江布団映画祭が開かれます。会場はいくつかのエリアに分けられ、映画とパーティを同時に楽しむパーティ館、ホラー映画で暑さを吹き飛ばせる恐怖館などテーマに合わせた作品が上映されます。川岸に設置されたスクリーンで布団をかぶって映画を見る漢江布団映画祭にはすでに2万2千人あまりが参加を申し込んでいます。

ハン・ギルさんは毎日をフェスティバルのように過ごせば、人々の表情が変わるだろうと信じています。フェスティバルでなら日常生活で表現できない複雑な感情を隠さずに表現することができるからです。ハン・ギルさんは笑いたい時に笑い、泣きたい時は泣ける時間を作り出し、誰にも見せることのできない心の傷をいやすために誰もが気軽に楽しめるフェスティバルを企画しているのです。

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