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ピープル

シニア合唱団「青春合唱団」

2016-09-13

ソウルの近郊、京畿道(キョンギド)果川(クァチョン)の市民会館。毎週火曜日、ここ果川市民会館では平均年齢65歳のシニア合唱団「青春合唱団」の練習が行われています。「青春合唱団」は今から5年前、2011年に結成されました。2011年、KBSのバラエティ番組「男子の資格」は「青春プロジェクト」の一つとしてシニア合唱団「青春合唱団」を企画しました。52歳以上の中高年を対象に合唱団員を募集した結果、3千人あまりが志願し、オーディションを経て40人の団員が選ばれました。「青春合唱団」のオーディションから合唱祭に参加するまでの過程を放送したKBSのバラエティ番組「男子の資格」は多くの視聴者に感動と希望のメッセージを伝えました。番組が終わってもう5年、メンバーは一部入れ替わりましたが、「青春合唱団」の歌はまだ終わっていません。



放送が終わっても解散しようと思う団員はおらず、番組とは関係のない「青春合唱団」が再結成されました。しかし、「青春合唱団」には毎週火曜日、果川市民会館での練習スケジュール以外に特別な計画はありませんでした。テレビ番組の影響でたまに舞台にのぼることはありましたが、これといった目標がなくなったためか、以前に比べて、団員の意欲は低下するばかりでした。その変化に気づいた団長は大胆な決断を下します。アメリカにある国連本部で公演してみようというのです。実現可能性「ゼロ」に近い挑戦でした。やっとのことで国連側と連絡はついたものの返ってきた答えは「ノー」。しかし、「青春合唱団」の願いが天に届いたのでしょうか。2015年、国連韓国政府代表部は6月15日の「世界で高齢者虐待を考える日」に合わせて「青春合唱団」の舞台を企画したのです。「人生は70からだ」と歌う「青春合唱団」の声に各国を代表する国連大使は惜しみない拍手と歓声を送りました。不可能を可能にしたのは若者に劣らない「青春合唱団」の情熱でした。



高齢者の多い合唱団ですが、練習は怠りません。厳しく、徹底したトレーニングが美しいハーモニーを作り出すと信じているからです。また、高齢者が中心となるシニア合唱団だけに持病や障害を持っている団員もかなりいます。歌はそんな団員にとって自分を支える大きな力となっています。網膜疾患と癌で視力を失った団員、合唱団に入ってから夫を亡くした団員、「青春合唱団」のオーディションを受けた時、肝臓と腎臓の移植手術を受けたばかりだったという団員もいます。彼らは歌を通して悲しみや試練を乗り越え、何かに挑戦することの楽しさを知ったのです。

「青春合唱団」は、新しい世界に向かって羽ばたき続けています。今年の5月6日、「青春合唱団」は韓国を代表する公演場、「芸術の殿堂」の舞台にのぼりました。「青春合唱団」を中心に、子どもたちと中高年、そして高齢者が一つになった3世代大合唱公演を企画したのです。「青春合唱団」は、歌を通じて自分たちだけではなく、周りにも希望を伝えたいと願っています。「青春合唱団」の活動を見ながら、現役から引退した人たちが希望を持ってほしいと願っているのです。「青春合唱団」の平均年齢は65歳ですが、合唱団を通じて新しい人生の楽しさを知り、努力を通じて多くの人に感動を伝えることができると信じています。

今、「青春合唱団」は「世界最高のシニア合唱団」という新しい目標に向かって歩み出しています。「ゴー!グローバル、世界へ行こう」、これが「青春合唱団」の新しい目標です。彼らは韓国を代表する合唱団になれる日まで、また、全国各地にシニア合唱団が結成される日まで、「青春合唱団」の活動は続いていくと信じています。そして、より楽しい地域、より幸せな国を作っていくためにシニア合唱団ブームを起こしていきたいと願っています。「青春合唱団」への入団と同時に、人生の時計が止まったという彼らに、もはや不可能はないのです。

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