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旅行

韓国の伝統芸術の魅力に浸ることができる公演場、貞洞劇場

2010-12-28

韓国の伝統芸術の魅力に浸ることができる公演場、貞洞劇場

ソウル地下鉄2号線、市庁(シチョン)駅の2番出口を出ると、右手に朝鮮時代の王宮、徳寿宮(トクスグン)が見えます。ここ徳寿宮の横に出ている石垣道、トルダムキルに沿って5分ほど歩いていくと分かれ道があって、そのうち左斜めに出ている道をさらに歩いていくと、左手に市立美術館と貞洞教会、その先に貞洞(チョンドン)劇場が見えてきます。

貞洞劇場は1995年、国立劇場の分館という形で、現在の場所に建てられました。ここは韓国最初の西洋式の劇場、円覚社(ウォンガクサ)があった所です。円覚社は1907年に建てられた韓国初の近代的な国立劇場で、韓国の伝統芸能、パンソリをベースにした演劇の唱劇(チャングク)を生み出しました。

伝統的なパンソリは太鼓で拍子をとる鼓手と歌と語りでストーリーを綴っていくソリクン、2人だけで作られる舞台です。しかし、円覚社では華麗な舞台装置を設置して、さまざまな人物を登場させて、韓国式のミュージカル「唱劇」を披露したのです。円覚社は多くのパンソリ名人を生み出し、韓国の伝統芸能の発展に大きな影響を及ぼしました。しかし、新しいジャンルへの試みは観客の反応を得ることができないまま、1909年11月、3年足らずで閉館されることになったのです。

そして1995年、円覚社があった場所に貞洞劇場が建てられました。韓国の伝統芸能を発展させようとした円覚社の熱い想いを受け継いだ貞洞劇場では一年中、韓国の伝統文化公演を楽しむことができます。以前は歌、踊り、楽器の演奏など、さまざまなジャンルの伝統芸術を常設公演という形で披露していました。しかし、今はそのすべてを若い男女の恋物語を描いた韓国の古典小説「春香伝(チュンヒャンジョン)」の中に取り入れて演劇の形に完成させた「美笑(ミソ)」という作品を上演しています。歌や音楽、踊りが中心となっているため、外国人の観客も楽しむことができます。1997年から14年間、韓国の伝統ミュージカルとしてスタートした公演「美笑」は3千回以上の舞台を通じて、韓国人と外国人を合わせて55万人あまりの観客に韓国の伝統文化を紹介しています。

ポケットガーデンと呼ばれる小さな庭園を通って地下1階にある公演ホールは、こじんまりしていて素朴な雰囲気で、公演を通じて観客と出演者が一つになれる貞洞劇場ならではのぬくもりを感じることができます。公演ホールの前のロビーには韓国の伝統衣装、韓服(ハンボク)を着てみることができるコーナーが設けられています。ドラマや映画などで見た、華やかな衣装をまとって記念撮影をすることができるとあって、外国人の観客に大人気です。

さまざまなジャンルの韓国の伝統芸能が盛り込まれた見応えのある公演が終わる頃、愉快なリズムのサムルノリが登場して客席を盛り上げます。高いビルやモダンな建物に取り囲まれたソウルではなかなか触れることができない韓国の伝統芸能。貞洞劇場では長い歴史とともに韓国の人たちが育んできた韓国の伝統文化の世界に浸ることができます。

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