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旅行

文化芸術の空間に生まれ変わった昔のソウル駅、文化駅ソウル284

2011-08-23

文化芸術の空間に生まれ変わった昔のソウル駅、文化駅ソウル284
韓国の人たちにとって古いソウル駅は特別な存在でした。鉄道以外の交通手段が発達していなかった頃、ソウルと地方を行き来していた人たちはほとんどがここソウル駅を通っていました。2004年元日、新しいソウル駅がオープンして、鉄道の駅としての役割を終えた古いソウル駅が、8月9日、7年ぶりに文化と芸術の空間、文化駅ソウル284に生まれ変わりました。

地下鉄1号線または4号線のソウル駅から少し歩いていくと現在、KTXなどの列車が運行している新しいソウル駅があって、その隣にはドーム型の屋根のついた赤レンガ造りの古いソウル駅が見えます。1900年7月5日、漢江(ハンガン)に架けられた最初の橋、漢江鉄橋の開通とともに、ソウルの西大門と仁川(インチョン)の済物浦(チェムルポ)を結ぶ京仁(キョンイン)鉄道が運行を開始しました。ソウル駅の歴史はこの時から始まります。

当初の位置は現在の駅舎から少し離れた所で名称もソウル駅ではなく南大門(ナムデムン)駅でした。その後、1925年、南州鉄道株式会社でルネサンス風の駅舎を建てて、京城(キョンソン)駅と名付けました。新しく建てられた駅舎はドーム型の屋根に、建物全体に赤レンガが使われ、中央ホールのフロアには花崗岩が敷かれるなど、当時としてはかなり独特なデザインで話題になりました。

古いソウル駅は悲しい韓国の近代史の現場でもありました。大韓帝国最後の皇太子、英親王(ヨンチンワン)と徳恵(トッケ)姫が日本の圧力によって、この古いソウル駅を経て日本に渡ったのです。旧ソウル駅は80年あまりにわたって、韓国の人々の生活、激動の近代史、そしてその後の近代化の過程を見守ってきた重要な空間なのです。

KTX高速鉄道の開通にともなって新しいソウル駅が完成すると、たくさんの思い出と歴史が残る古いソウル駅は閉鎖されました。その駅舎が文化と芸術の空間、文化駅ソウル284としてリニューアルオープンしたのです。

新しく生まれ変わった文化駅ソウル284は今から80年あまり前、赤レンガ造りのソウル駅が完成した1925年の姿に復元されています。内部には20人あまりのアーティストによるオブジェなど、インスタレーションアート作品が展示されていて、古風なギャラリーのような雰囲気を演出しています。

正門を通って中央ホールに入るとシャンデリアのように天井から吊り下げられたクリスタルのオブジェと未来に向かって無限大に伸びていけるようにという願いが込められた7メートルの高さの白い柱などが新しく設置されています。また、1、2等席用と3等席用に分けられた昔の待合室、韓国戦争の時に破壊されたドームのステンドグラスなども復元されました。待合室にはさまざまなインスタレーションアート作品や国連報道写真展などが展示されています。

1、2等席の待合室と3等席の待合室の隣にある小さなペチカが設置された婦人用の待合室を通りすぎると狭い廊下があります。廊下の壁をよく見ると、韓国戦争の時の銃撃のあとが残っていて韓国が経てきた近代の歴史を感じさせます。廊下の向うは一般の人の出入りが禁じられていた駅長室と大統領のための部屋があります。駅長室でも韓国の若い軍人をテーマにしたスライドの芸術作品を見ることができます。

2階には昔、理髪店とトイレがあった場所を利用して古いソウル駅の復元過程で見つかったドアの取手や床材などの遺物を展示した復元展示室が設けられています。かつて、韓国最初の西洋風レストランがあった広いホールにはビデオを使って韓国のシャーマニズム儀式を紹介している芸術作品が展示されています。また、機関室の音や状況室の無線、案内放送など昔のソウル駅の様子を知ることができる展示室もあります。

新しく生まれ変わった文化駅ソウル284ではさまざまな芸術作品とともに、韓国の近代史を見守ってきたソウル駅の歴史を感じることができます。

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