尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は就任後、初の海外訪問として、28日スペインのマドリードに到着し、NATO＝北大西洋条約機構首脳会議への参加を通して本格的な国際外交を展開します。
尹大統領は到着したその日から、オーストラリアのアルバニージ首相と首脳会談を行い、外交日程をスタートします。
この会談では、エネルギーや資源供給網問題などの経済分野の懸案とともに北韓の核の脅威など安全保障問題も議題となる見通しです。
2030年釜山（プサン）万博の誘致への支持も呼びかけるものとみられます。
そのあとは、尹大統領とストルテンベルグNATO事務総長との面談も予定されています。
この場では、不安定な国際情勢のなかでNATO加盟国と包括的な安全保障協力体制を構築する方策などが議論される見通しです。
とくに、尹大統領はNATOに対し、北韓の核やミサイルによる脅威への対応について関心と支持を要請するものとみられます。
韓国政府は、ベルギー・ブリュッセルにNATO駐在代表部も新設する予定です。
その後、夕方には、尹大統領と金建希（キム・ゴニ）大統領夫人は、スペイン国王のフェリペ6世が主催する晩さん会に参加します。
尹大統領はこの場で、イギリスのジョンソン首相、フランスのマクロン大統領など主要国の首脳と初めて顔合わせするものとみられていて、日本の岸田首相と会う可能性もあります。
ただ、尹大統領と岸田首相が立ったまま話を交わす、いわゆる「略式会談」を行う可能性は低いとされています。