韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は、韓国と中国の関係について、「互いに利益となり、尊重する方向で関係をうまく維持する必要がある」と話しました。
韓国務総理は28日、世宗(セジョン)総理官邸で開かれた就任1か月を記念する記者団との晩さん会で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領のNATO=北大西洋条約機構首脳会議への出席について中国が反発していることについて、「中国に関する新政権の立場は明確だ」と述べました。
そのうえで、「中国が不満を抱いて経済報復をしたらどうするか懸念する声もあるが、世界が尊重する価値と進むべき原則を追求しようとしていることに対して、中国が不満を抱いて経済的に不利な行動をするとしたら、正しい行動ではないと言うべきである。不利益を解消するために、より重要な原則を損なってはならない」と強調しました。
韓国務総理はまた、アメリカのNSC=国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官が今月24日の記者会見で、韓国によるNATO首脳会議への参加に中国が反対していることについて聞かれ、「中国は、韓国がいかなる会議に参加したとしても拒否権はない」と反論したことにも言及しました。
韓国務総理は、「カービー調整官の発言は正しい」としたうえで、「安全保障にとって必要ならば参加するものであって、中国が参加するなと言うのは礼儀にも、相互尊重にも反するものだ」と述べました。
そのうえで、高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国配備が行われた際のような報復があるとしても、韓国が掲げる外交原則を守るのかという質問について、韓国務総理は「もちろんだ」と答えました。
この問題では、中国はスペインのマドリードで開かれているNATO首脳会議に参加する尹大統領に対して、不満を示していました。
中国国営の英字新聞「グローバルタイムズ」は27日、専門家の話を引用し、アメリカがアジアの同盟国らと対話を通じてNATOのアジア太平洋地域への拡張を進めていると主張し、尹政権がアメリカに依存して徐々に外交的独立性を失ってしまったら、中国との関係がさらに複雑になると指摘しました。