韓国の独自技術で開発された戦闘機「KF-21(ポラメ)」の試作機が、超音速飛行に初めて成功しました。
防衛事業庁は17日、 KF-21の試作機1号機が同じ日の午後3時15分に初の超音速飛行に成功したと発表しました。
戦闘機の開発を行っている韓国航空宇宙産業によりますと、KF-21は2基のエンジンが搭載されていて、ステルス性能を備えています。全長16.9メートル、幅11.2メートル、高さ4.7メートルで、設計上の最高速度はマッハ1.81、航続距離は2900キロ、最大積載量は7.7トンです。
KF-21の1号機は、去年7月に初の飛行を行ってから、6か月間で80回余りの試験飛行を行いながら、飛行高度や速度を高めてきました。今回は、高度およそ1万2200メートルで飛び、3回にわたって音速を突破したということです。
これまで、アメリカとの技術協力で開発された韓国製の超音速機「T-50(ゴールデンイーグル)」が音速を突破したことはありましたが、韓国の独自技術で開発した航空機が音速を突破したのは、今回が初めてです。
防衛事業庁によりますと、今回の試験飛行で、KF-21が超音速飛行に必要な機体の構造的な安定性を備えていることが確認できたということです。
防衛事業庁は、2026年2月までに、試作機1号機から6号機まで、合計2000回あまりの試験飛行を行う予定です。今月5日には試作機3号機が初の飛行に成功したほか、4号機から6号機は、地上でのテストや飛行の準備を経て、ことし上半期に試験飛行に投入される予定です。
防衛事業庁は今後、KF-21が音速を超えて飛行する際の高度や速度をさらに高めつつ、飛行の安定性を検証し、結果をシステム開発に反映させていく計画です。
KF-21の開発に成功すれば、韓国は世界で8番目の超音速戦闘機の開発国となります。