北韓で先月下旬、旅客列車が転覆し、数百人が死亡したと、アメリカのメディアが報じました。 
 
アメリカの政府系ラジオ放送局、自由アジア放送が16日、消息筋の話として伝えたところによりますと、先月25日に平壌（ピョンヤン）を出発し、北東部の咸鏡南道（ハムギョンナムド）のクムゴルに向かっていた列車が、翌26日に峠を越えようとしたところ、転覆したということです。

列車は10両程度の編成とみられ、電力不足や線路の老朽化に加え、大雪の影響によって坂を上りきることができず、後方に滑り落ちはじめたあと、カーブにさしかかったところで、後部の車両が脱線し、谷間に転落したということです。

座席の数から計算すると、事故による死者は、400人を超えるということです。

前方に乗っていた朝鮮労働党の幹部らは助かったということです。
 
転覆した列車から救出され病院に搬送された乗客は、抗生物質などの医薬品が不足し、その多くが亡くなったということです。
 
この事故は、朝鮮労働党の上層部にも報告されましたが、当局は、事故の発生が外部に漏れないよう、現場周辺を非常区域に指定し、住民に対する情報統制を行っているということです。
 
韓国の統一部は、今回の事故について、「今のところ、コメントできることはない」としています。