医師不足の解消のために医学部の定員を2000人増やすという政府の方針に反対し、研修医や医学部の教授らは、定員拡大の撤廃を求めていますが、政府は、定員の拡大に必要な手続きを5月中に終えるとして、予定通り計画を遂行する方針をあらためて示しました。
医師らのストライキへの対応にあたっている中央災害安全本部のパク・ミンス本部長は26日、定例の会見で、医学部の定員を2000人増員する方針に変更が無いことをあらためて説明し、5月中にも手続きを終える計画だと明らかにしました。
政府は今月20日、増員枠の各大学への配分を発表し、翌21日に、教育部が各大学に対して、来年度の入試要項と入学後の教育課程を5月31日までに確定させるよう、通達を出しています。
今回、中央災害安全本部のパク本部長が5月末までに手続きを終えると強調したのは、この入試要項などの確定を意味するものと見られます。
一方、政府の方針に反発し、医学部の教授らによる集団退職や診療態勢の縮小なども続いています。
25日から高麗(コリョ)大学や蔚山(ウルサン)大学、延世(ヨンセ)大学の医学部教授らが集団で退職届を提出したのに続き、ソウル大学でも教授らの間で自発的な退職が相次いでいます。
さらに、成均館(ソンギュングァン)大学の教授らも28日に集団で退職届を提出する計画です。
現在の医療空白のきっかけとなった研修医らのストライキについて、政府は当初、職場を離れている研修医の免許を26日から停止する計画でしたが、この処分の執行は、一時保留となっています。
大統領室の関係者は25日、「柔軟な方策を決めるための対話中に免許を停止するわけにはいかないので、暫定的に保留となったが、無期限の延期ではない」と説明しました。