梨泰院（イテウォン）の転倒事故をめぐって、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領に対し、正式な謝罪を求める声が野党を中心に上がっているなか、尹大統領は7日、「大統領として遺族と国民に申し訳ない気持ちだ」と述べ、改めて謝罪しました。 
 
尹大統領は7日の国家安全システム点検会議で、「国民の生命と安全を守らなければならない大統領として悲痛で心が重い」として、「国民に申し訳ない気持ちだ」と述べました。
 
尹大統領は4日から3日連続で宗教界で行われた追悼行事などに参加し、「遺族と国民に申し訳ない気持ちだ」と謝罪していますが、野党からは「犠牲者と遺族の苦しみに共感し責任を感じるならば、それに合った格式できちんと謝罪すべきだ」という批判があがっていました。
 
尹大統領はまた、「政府は、今回の惨事を責任を持って収拾し、二度とこのような悲劇が起こらないよう安全な韓国をつくることに全ての力を注がなければならない」と強調し、「災害、事故に関する制度を全面的に見直し、積み重なる問題を大胆に改善していく」と表明しました。
 
事故をめぐっては、警察の対応に不備があったことが指摘されており、尹大統領は「警察の革新が必要だ。徹底した真相究明を行い、その結果に従って責任がある人に対しては厳しく責任を問う」と述べました。
 
野党を中心に、警察を管轄する李祥敏（イ・サンミン）行政安全部長官や警察トップの尹熙根（ユン・ヒグン）警察庁長らの更迭を求める声が出ていますが、尹大統領の発言は真相究明後に問責する考えを示したものと受け止められています。