メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

第703話 産後ケア院について

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-04-11

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

女性一人が産む子どもの数の指標となる出生率が去年「0.78」と、少子化に歯止めがかからない韓国ですが、産後のケアを受ける「産後ケア院」の利用は減っていないようです。


「産後ケア院」とは、出産を終えた女性が心身を休ませることができるようにケアを受けるところで、1990年代後半ごろにでき始め、全国で急速に増えました。


施設によって違いはありますが、普通は出産後に退院したママと新生児が2週間~3週間滞在し、産後ケアを専門とする人たちに世話をしてもらうようになっています。赤ちゃんは新生児室で授乳や睡眠などのケアを受け、ママのほうは食事やマッサージなどを受けながら、産後の肥立ちを良くすることに集中します。ただ、赤ちゃんと全く触れ合わないわけではなく、母乳の授乳をしたり、午前午後に赤ちゃんと一緒の時間を過ごしたりするようになっています。


韓国では産後の女性の安静が重視されていて、「産後の肥立ちが悪いとあとで様々な病気の原因になる」などと言われています。「三七日」という言葉があって、21日間(3週間)は安静にしていなければならないとも言われています。以前はこの時期を(本人あるいは夫の)実家で過ごすことが多かったのですが、産後ケア院の利用が増えてからは、親としても出産した本人にとっても「気兼ねなく休める」ということで歓迎され、産後ケア院はますます浸透しました。統計庁による産後ケア院の実態調査では、産後に産後ケア院を利用した割合は、2018年75.1%で、2021年には81.2%に増えています。本人や夫の実家で過ごした割合は、2018年22.2%だったのが、2021年には15.2%に減りました。産後、体が回復するまで実家で過ごす習わしだったのが、産後ケア院を利用するように変化していることが分かります。


しかし、産後ケア院自体は、数が減ってきています。保健福祉部によりますと、産後ケア院は、2009年、全国に418ヶ所、2016年には612ヶ所まで増えました。これがピークで、それ以降は少しずつ減り、去年末の時点で全国に475ヶ所あるということです。やはり出生率の低下が原因ですが、産後ケア院の利用料はむしろ高くなっています。2017年、全国平均(一般室、2週間利用)で241万ウォンでしたが、去年は307万ウォンでした。生まれる子供の数は減っていても、産後ケア院の需要はむしろ増えていることによるものと分析されています。全国の自治体では、少子化対策の一環として、公共の産後ケア院をつくることに注力しているところも少なくありません。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >