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ライフスタイル

第721話 中古販売、本格開始から20年

#アジュンマの井戸端会議 l 2023-08-22

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
韓国には「中古ナラ(直訳すると「中古(の)国」)」というサイトがあります。ネット上で中古品の取引が行われるようになった立役者と言えるサイトです。このサイトが立ち上げられたのは2003年、今年で20年になりました。韓国における中古品売買の歴史はこのサイトの歴史と同じといっても過言ではないでしょう。このサイトができてから、ボンゲジャント、ハローマーケット、タングン(にんじんの意)マーケットなどのアプリやサイトが相次いで市場に参入、市場は拡大一路を辿り、2008年に4兆ウォン水準だった中古品取引規模は今年、30兆ウォンを超えると推定されるくらいにまで成長しました。

韓国の中古品売買サイトは、いずれもカテゴリーが特定されておらず、「ないもの以外は全部ある」という特徴を持っています。たとえば、朝鮮王朝時代の文化財級の骨董品だとか山で採れた天然の高麗人参、乗用車やダンプトラック、フォークリフトなど、それこそ何でもありです。中古ナラには1秒当たり1.7個の中古品が登録されるということです。会員登録している人の数は、サイトが立ち上げられて10年ですでに1000万人を超えました。そしてその顧客には、歌手のキム・ジェジュン、女優のパク・ボヨンなど名の知られた芸能人も少なくありません。だいぶ前の話ですが、BTSのリーダー、RMが中古ナラを通じて日本のブランドのパンツ(ズボン)を購入しています。

最も取引が多いのは衣類で 中古取引全体の半分近くを占めています。「ボンゲジャント」が今年2月に公表した報告書によりますと、サイトを利用する人の78%がMZ世代でした。ボンゲジャントの関係者は、この世代が「中古に対する抵抗が少なく、合理的な消費の一つとみて、中古ファッションを愛用している」ものと分析しています。高価なブランド品についても、中古取引が他の年齢層の倍以上に達しています。MZ世代が消費トレンド全般をリードする形になっていることから、これから4年間ほどは、ファッションの中古取引市場が毎年二ケタ以上成長するだろうと、ボンゲジャントのチェ・ジェファ代表はみています。10の商品を購入するとすると、そのうちの2、3個は中古品を購入するという消費パターンが、この世代では定着しているというのです。

中古の購入が消費生活の一部と認められるようになった感があります。消費者調査企業のコンシューマー・インサイトが去年、3577人を対象にアンケート調査を行ったところ、回答者の60%が「ネット上で中古の売買をしたことがある」と答えており、なかでも30代は71%が「ある」と回答していました。

2015年に登場したタングンマーケットは、中古取引の単位を、全国ではなく地域に限っており、これが、地域住民同士の、より密なネットワークを形成することに寄与したという見方もあります。ちなみにタングンマーケットのユーザーは、2021年5月の時点で1440万人。先駆けと言える中古ナラを超えています。韓国で中古取引がどれだけ活発に行われるようになったかがわかります。

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