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ライフスタイル

第739話 2024年は辰年(たつどし)

#アジュンマの井戸端会議 l 2024-01-02

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank
2024年は辰年です。動物では竜(龍)にあたります。竜は十二支で唯一、想像上の動物ですが、韓国の伝統文化の中ではまるで実存するかのような存在感を発揮しています。

竜が出てくる夢をみると立派な子が産めると言われています。また龍の神(龍神、龍王)は雨と風を司っているとされ、龍神や龍王を祭る儀式も行われてきました。龍は大きな池や川、海など深い海の底に棲み、雨と風を起こし雨を降らせる水の神と考えられていたことから、農作業に必要な水を得るために龍に雨ごいをし、漁業では豊漁と海での安全を龍に祈願していたということです。

また韓国でも日本でも使われている「登竜門」という言葉があります。鯉が滝をのぼって竜になったという古代中国の故事に由来する言葉で、立身出世の関門という意味があり、この場合の竜は出世の象徴となっています。雲にのって昇天する竜を描いた絵「雲竜図」も、出世や合格を祈願する意味を持っています。

さらに、王や皇帝など最高権力を表す象徴としても使われています。王の顔を「龍顔」と表現し、王の仕事着に当たる赤い袞龍袍(コンリョンポ)には、胸と背中と肩に龍の円形の刺繍が施されています。他にも、三国時代には龍が神聖視され、刀や香炉、仏教寺院のレンガなどが龍の模様で飾られたといいます。高句麗では亡くなった人の安らかな永眠を祈願する意味で、お墓の4つの壁に東西南北を司る四つの神を描いていたのですが、中でも東の守り神の青い龍は4つの神の中でも最も強い力を持っていたと信じられていたそうです。また朝鮮王朝の時代には、龍が五つの福をもたらし虎が3つの災害を追いやると信じられていました。そのため、お正月には龍の絵と虎の絵を一緒に王宮や役所の表門に貼っていたのだそうです。想像上の動物であるがゆえに、神秘的な能力を持つ動物として神聖視されていたということです。

そして龍は地名に最も多く使われた動物でもあります。2021年、国土地理院の統計によりますと、全国の自治体で告示されている約10万の地名のうち、十二支に関係のある地名は4109(4.1%)あり、このうち龍に関連している地名は1261で最多となっています。ちなみにソウルの国立民俗博物館では龍にまつわる多様な象徴と意味を紹介する展示「龍、高く飛ぶ」が、去年12月から今年3月まで行われています。

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