メニューへ 本文へ
Go Top

特別番組

4. 世界的な半導体不足、韓国では尿素水不足で物流に支障

2021-12-31



世界的な半導体不足が続き、多くの産業に打撃を与えました。
新型コロナウイルスの世界的流行で、各メーカーは半導体の注文・生産の抑制に踏み切りましたが、予想に反して半導体需要は急速に回復し、各業界で半導体が不足する事態となりました。
特に自動車メーカーは大きなダメージを受け、韓国の現代自動車や起亜自動車の生産ラインが一時停止するなど、各国の大手自動車メーカーが生産ラインの稼働を一時的に停止したり、減産を発表したりしました。
韓国では、自動車などの輸送機械製造業の設備投資が2.4%減り、製造業全体の生産は3.1%、自動車の生産は5.1%減りました。
半導体のサプライチェーンリスクはかねてより存在していましたが、今回そのリスクが顕在化したことで、サプライチェーンマネジメントを見直す動きが各国でみられています。
半導体の需要は今後も加速していくことが予想され、2023年まで半導体の供給が追い付かない可能性があるとの見方もあります。
一方、韓国では尿素水が不足し、物流がマヒする直前まで行く事態となりました。
日本では「アドブルー」と呼ばれる尿素水は、排気ガスに含まれる窒素化合物を浄化する役割を果たし、ディーゼル車の運行には欠かせないものです。
韓国で尿素水が不足する事態が発生したのは、オーストラリアと中国の関係悪化による影響でした。オーストラリアは中国最大の通信機器メーカー「ファーウェイ」の製品の使用を禁止し、新型コロナウイルスの発生源をめぐって中国に国際調査団の受け入れを求めたことなどに中国が反発し、報復措置としてオーストラリアからの石炭の輸入を禁止する措置を取りました。
時を同じくして、中国内陸部で発生した豪雨で、石炭の主な産地の炭鉱が洪水で埋まり、石炭の供給が急減しました。このため石炭火力発電所が停止し、電力不足に悩まされることになった中国は、石炭から抽出するアンモニアの輸出を制限しました。
中国が尿素水の原料となるアンモニアの輸出を制限したことで、韓国では尿素水が不足する事態に発展、尿素水が必要な大型トラックが運行できなくなり、物流に支障が出ました。
政府は、オーストラリア、ベトナム、インドネシアなどから尿素水を緊急輸入し、物流が麻痺する事態には発展しませんでしたが、一つの品目の輸入を一つの国にだけに頼っていると、こうした事態が再発する可能性は常にあり、輸入先の多角化を進めるなど、特段の対策が必要だと指摘されています。

Photo : KBS, YONHAP News

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >