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北韓 SLBM発射に成功

今週のキーワード2016-08-28
北韓  SLBM発射に成功

北韓は24日早朝、北東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)新浦(シンポ)沖でSLBM=潜水艦発射弾道ミサイル1発を発射しました。
韓国軍によりますと、ミサイルは北東におよそ500キロ飛行し、日本の防空識別圏内に落下したということです。
北韓の国営朝鮮中央通信は今回の発射について、「高角発射態勢で実施された」とし、意図的に高角度で打ち上げて飛距離を縮めたことを示唆しました。
韓国軍は、通常の角度で発射すれば飛距離は1000キロ以上、射程は2500キロに達するとして、「技術がかなり進展している」との見方を示しました。
国営朝鮮中央通信は、金正恩労働党委員長が、「成功中の成功だ」と強調し、「核攻撃能力を完璧に保有した軍事大国になったことを証明した」と語ったと伝えました。
北韓によるSLBM発射は去年5月に初めて確認されて以来、今回が6回目です。
SLBMは、海中を移動する潜水艦から発射されるため探知が困難で、それだけ奇襲攻撃能力が高いのが特徴です。
北韓はミサイル発射の画像を公表しましたが、噴射の煙の色や広がり方などを分析したところ、今回発射したミサイルには固体推進剤が使われている可能性が高いことが分かりました。
固体推進剤は、燃料注入などの手間が省けるため、発射準備の時間を短縮することができ、液体燃料に比べて奇襲攻撃能力が向上します。
それだけ脅威の度合いが高いということです。
発射したミサイルの飛距離や固体推進剤が使用されたことなどを考慮すると、北韓の技術開発が速いスピードで進んでいるのは事実のようです。
ただ、実戦配備までには、搭載する潜水艦の開発、弾頭の小型化、精密誘導技術の獲得など、解決しなければならない問題が残っています。
韓国軍はSLBMの実戦配備が早くても2020年前後になるとみていましたが、今回の発射試験の結果を受けて早ければ年末、遅くても来年には実現するとの見方が浮上しています。
北韓は今後ともミサイル発射を繰り返し、追加の核実験を実施する可能性も排除できない状況です。
北韓がミサイル発射を繰り返しているのは、技術の向上を図る目的もありますが、北韓に対する制裁を主導する韓日米3カ国を威嚇し、難局を打開する狙いもあるのではないかとみられます。

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