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南北首脳会談

2018年3回目の会談

「2018南北首脳会談平壌」

  • 文在寅 - 大韓民国 大統領
  • 金正恩 - 朝鮮民主主義人民共和国 国務委員長
  • 日時:2018年9月18日(火)~2018年9月20日(木)
  • 場所:平壌

南北関係主要日誌

2017年
2017年
7月6日 文在寅大統領、ドイツ・ベルリンでの演説で「ベルリン平和構想」発表
- 南北共同宣言及び南北首脳宣言の履行
- 北韓の体制安全を保障する非核化の追及
- 恒久的な韓半島の平和体制
- 韓半島の新経済地図構想
- 非政治分野の交流と協力の拡大
9月3日 豊渓里(プンゲリ)の核実験場で6回目の核実験… 高まる危機
9月21日 文在寅大統領、国連総会で演説で北韓のオリンピック参加を実現させることで平昌冬季オリンピックを「平和オリンピック」に昇華させ、北韓問題解決に向けた転換点とするとの「平昌平和構想」を発表。
11月1日 文在寅大統領、国会の施政方針演説で問題解決に向けた5原則を提示
- 韓半島における武力衝突は不可
- 韓半島の非核化
- 韓国主導で問題を解決
- 核問題の平和的解決
- 北韓の挑発には強力に対応
2018年
2018年
1月1日 金正恩国務委員長、新年の辞で平昌冬季オリンピック参加及び代表団派遣を示唆。
1月9日 韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官と北韓の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長、板門店の南側施設「平和の家」で南北高位級会談開催。
- 北韓の平昌冬季オリンピック参加
- 軍事的緊張状態の緩和
- 南北の交流と協力の活性化
- 既存の南北共同宣言を尊重などを盛り込んだ共同報道文を採択
2月9日 金正恩国務委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党中央委員会第1副部長と北韓の憲法上の国家首班にあたる金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長ら北韓の高位級代表団が平昌冬季オリンピック開会式に出席。
2月10日 文在寅大統領、北韓の高位級代表団を大統領府に招き昼食会
金与正第1福部長が文在寅大統領に金正恩国務委員長の新書を手渡す
3月5日 鄭義溶(チョン・ウイヨン)大統領府国家安保室長と徐薰(ソ・フン)国家情報院長らが大統領特使として訪朝、金正恩国務委員長と会談。
3月6日 特使団が帰国、記者会見で4月末に板門店の南側施設「平和の家」で南北首脳会談を開催することで合意したと発表。
3月9日 米トランプ大統領、金正恩国務委員長との首脳会談を受諾。
3月15日 南北首脳会談準備委員会発足
3月29日 韓国の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官と北韓の李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長、板門店の北側施設「統一閣」で南北高位級会談開催。
4月27日 南北首脳会談開催など3項目の共同報道文を採択
4月1~3日 韓国芸術団、4月1日と3日に平壌で公演。
金正恩国務委員長夫妻が1日の公演を観覧。
4月20日 金正恩国務委員長が鮮労働党中央委員会総会で、核とミサイルの発射実験を中断し、経済建設に総力を傾ける方針を採択
4月21日以降、核実験とICBMの発射実験を中止するとともに北韓北部の咸鏡北道・豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄を約束
4月27日 板門店で「2018南北首脳会談」開催
5月 7~8日 金正恩国務委員長、2度目の訪中。
金正恩国務委員長と習近平国家主席、中国遼寧省大連で会談。
5月9日 ポンペイオ米国務長官2度目の訪朝
金正恩国務委員長と非核化などについて協議。
5月10日 ポンペイオ米国務長官、北韓に抑留されていた米国人3人ととともに帰国。
トランプ大統領、米朝首脳会談を6月12日にシンガポールで開催と発表。
5月12日 北韓外務省公報
韓国、アメリカ、中国、ロシア、イギリスの記者団招いて、北東部の豊渓里(プンゲリ)核実験場を廃棄すると発表。
5月16日 北韓、韓米空軍による合同訓練「マックスサンダー」を問題視、開催予定だった南北高位級会談の無期延期を通知。
北韓外務省の金桂冠(キム・ゲグァン)次官が談話発表。
「一方的な核放棄要求すれば米朝首脳会談再考する」
李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員長
「厳重な事態が解決されないかぎり南の政権との対話は容易に実現しない」
5月18日 豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄、北韓が韓国記者団の名簿受け取り拒否。
5月22日 (韓国時間23日)
文在寅大統領とトランプ大統領、ホワイトハウスで首脳会談。
5月23日 豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄、北韓が韓国記者団の取材を許可。
5月24日 北韓外務省の崔善姫(チェ・ソンヒ)副相が「リビア式非核化」に反発。
「アメリカはこれまでに経験したことがない悲劇に直面するだろう」
海外の記者団が見守る中で豊渓里核実験場廃棄。
トランプ大統領、米朝首脳会談取り止めを発表。
5月25日 北韓外務省の金桂冠(キム・ゲグァン)次官が談話発表。
「いつでも、どのような形であっても米国と対話する用意がある」
トランプ大統領「米朝首脳会談は来月12日の可能性も十分ある」
5月26日 文在寅大統領と金正恩国務委員長、
板門店北側施設「統一閣」で2度目の首脳会談。
6月1日 板門店南側施設「平和の家」で南北高位級会談開催。
板門店宣言履行について協議。
-開城工業団地に南北共同連絡事務所開設で合意。
-分野別実務会談の日程が確定。
(将官級軍事会談、体育会談、赤十字会談、鉄道・道路・山林協力分科会議、北韓側芸術団の韓国公演に向けた実務協議など、後続の会談開催で合意)
6月8日 統一部の千海成(チョン・ヘソン)次官ら南北共同連絡事務所推進団が開城工業団地訪問。
6月12日 トランプ大統領と金正恩国務委員長、
シンガポール・セントーサ島で首脳会談。
-米朝の関係正常化。
-平和体制の構築に向けて努力。
-板門店宣言の履行と完全な非核化。
-戦争捕虜・行方不明兵の遺骨回収、4項目の共同声明を発表。
6月14日 板門店北側施設「統一閣」で南北将官級軍事会談開催。
-南北将官級軍事会談で共同報道文、東・西海地区軍通信線の完全復旧で合意。
ポンペイオ米国務長官、文在寅大統を表敬。
米朝首脳会談の結果を説明。
ソウルで韓日米外相会談。
6月18日 板門店南側施設「平和の家」で南北体育会談。
-南北統一バスケットボール試合、7月に平壌、秋にソウルで開催。
-ジャカルタ・アジア大会、開閉会式で南北合同入場、一部競技で南北合同チーム結成で合意。
6月19日 韓米当局、合同軍事演習「フリーダムガーディアン」の実施猶予を発表。
6月19~20日 南北共同連絡事務所の改修・補修工事の関係者らが訪朝(開城工業団地)。
金正恩国務委員長と習近平国家主席、北京で首脳会談。
6月22日 金剛山で12回目の南北赤十字会談開催
-8月15日の解放記念日を契機に離散家族再会行事開催で合意。
-金剛山面会所の補修。
-韓米軍当局、海兵隊演習「KMEP」実施猶予を発表。
6月25日 西海地区南北出入事務所で軍通信線復旧に向けた実務協議開催。
6月26日 板門店南側施設「平和の家」で南北鉄道協力分科会議開催。
-東海線・京義線鉄道の連結及び北側区間近代化で合意。
6月27日 韓国政府、離散家族再会行事に向けて施設点検団を金剛山に派遣。
6月28日 板門店北側施設「統一閣」で南北道路協力分科会議開催。
-東海線(高城-元山)・京義線(開城-平壌)道路の近代化で合意。
7月1日 南北当局、西海(黄海)で「国際商船共通網(無線通信)」の運用再開。
7月2日 南北共同連絡事務所開所に向けて補修工事始まる。
(開城工業団地内の交流協力協議事務所、職員の宿所、開城工業地区総合支援センターなど)
7月3~6日 趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相および選手団101人が軍輸送機で訪朝。
平壌で南北統一バスケットボール試合開催。
4日、南北混合チームの試合。
5日、南北チームの親善試合および体育関連実務協議。
板門店で離散家族再会対象者の生死確認依頼書を交換。
7月4日 板門店南側施設「平和の家」で南北山林協力分科会議。
-育苗施設の現代化および病害虫共同防除で合意。
7月5日 平壌で南北体育実務会談。
趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相、平壌で金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長と会談。
7月6~7日 ポンペイオ米国務長官が訪朝、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長と会談。
-北韓外務省報道官、ポンペイオ米国務長官との協議について「米側の態度と立場は実に遺憾だった」とする談話を発表。
7月10日 韓国政府、8月に予定されていた戦時対応態勢点検訓練「乙支演習」の実施猶予を発表。
-韓米合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」と連携して実施されたが、2019年からは「乙支太極演習」として単独実施予定。
7月16日 米朝、板門店で米軍遺骨送還のための実務協議。
民族和解協力汎国民協議会の金弘傑(キム・ホンゴル)代表常任議長らが訪朝(16日~19日)。
植民地時代に日本に強制徴用された韓半島出身者の遺骨返還事業に向けた協力で合意。
西海地区軍通信線が完全復旧、光回線による有線電話およびファクス。
7月24日 京義線鉄道連結区間(開城-新議州)共同点検および南北鉄道研究調査団会議。
7月27日 北韓、米軍遺骨55柱を送還。金正恩国務委員長がトランプ大統領に親書。
7月31日 板門店南側施設「平和の家」で南北将官級軍事会談。
-共同警備区域(JSA)の非武装化、非武装地帯(DMZ)で遺骨共同発掘、非武装地帯監視所の試験的撤収、西海での敵対行為中止などについて協議。
8月4日 板門店で離散家族再会対象者の名簿を交換。韓国側93人、北韓側88人。
8月8日 南北、金剛山地区で山林病害虫の共同点検。
8月9日 北韓、南北高位級会談を提案。
京義線出入事務所で南北鉄道共同調査団2回目の会議。
8月13日 板門店北側施設「統一閣」で南北高位級会談。
-9月中に平壌で南北首脳会談開催で合意。
8月20~22、24~26日 金剛山で南北離散家族再会行事。
9月5日 鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長ら特使団が訪朝、金正恩国務委員長と会談。
3度目の南北首脳会談の日程合意。
9月13日 板門店で南北軍事実務会談。
9月14日 板門店で3度目の南北首脳会談に向けた高位級実務会談。
-文在寅大統領、西海直航路で平壌訪問。
-南北首脳の対面を生中継することで合意。
南北共同連絡事務所が開城工業団地で開所式。365日24時間意思疎通可能に。
9月18~20日 文在寅大統領と金正恩国務委員長、
平壌で3度目の首脳会談。

9月平壌共同宣言全文

大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長は、2018年9月18日から20日まで平壌で南北首脳会談を行った。

両首脳は歴史的な板門店宣言以降、南北当局間の緊密な対話と疎通、多角的な民間交流と協力が進められ、軍事的緊張緩和に向けた画期的な措置が取られるなど、立派な成果があったと評価した。

両首脳は民族自主と民族自決の原則を再確認するとともに、南北関係を民族的和解と協力、確固とした平和と共同繁栄のために一貫的かつ持続的に発展させていくことにし、現在の南北関係の発展を統一につなげていくことを願う民族の志向と希望を政策的に実現していくために努力していくことにした。

両首脳は板門店宣言を徹底的に履行し、南北関係をさらに高い段階に進展させるための諸般の問題と実質的な対策について虚心坦懐に深く論議し、今回の平壌首脳会談が重要な歴史的転機になるという認識で一致し、次のように宣言する。

1. 南北は非武装地帯をはじめとする対峙地域での軍事的敵対関係終息を、韓半島全域での実質的な戦争の危険の除去、根本的な敵対関係解消につなげていくことにした。

① 南北は今回の平壌首脳会談を契機に締結した「板門店宣言軍事分野履行合意書」を平壌共同宣言の付属合意書として採択し、これを徹底的に順守するとともに誠実に履行し、韓半島を恒久的な平和地帯にするための実践的措置を積極的に進めていくことにした。

② 南北は南北軍事共同委員会を速やかに稼動させ、軍事分野合意書の履行を点検し、偶発的な武力衝突防止のための常時的疎通と緊密な協議を進めていくことにした。

2. 南北は相互互恵と共同利益、共同繁栄の土台の上で、交流と協力をさらに拡大し、民族経済の均衡発展のための実質的な対策を講じていくことにした。

① 南北は今年中に東海および西海線鉄道および道路連結のための着工式を行うことにした。

② 南北は条件が整い次第、開城工業団地と金剛山観光事業を優先的に正常化し、西海経済共同特区および東海観光共同特区を造成する問題を協議していくことにした。

③ 南北は自然生態系の保護および復元に向けた南北環境協力を積極的に進めることにし、まずは現在進めている山林分野協力で実質的な成果を収めるために努力することにした。

④ 南北は伝染性疾患の流入および拡散防止のための緊急措置をはじめとする防疫および保健・医療分野の協力を強化することにした。

3. 南北は離散家族問題を根本的に解決するための人道的協力を一層強化していくことにした。

① 南北は金剛山地域の離散家族常設面会所を早い時期に開所することにし、そのために面会所施設を速やかに復旧することにした。

② 南北は赤十字会談を通じて離散家族の映像再会と映像による手紙の交換の問題を優先的に解決していくことにした。

4. 南北は和解と団結の雰囲気を盛り上げ、我が民族の気概を内外に誇示するための多様な分野の協力と交流を積極的に進めることにした。

① 南北は文化および芸術分野の交流をさらに増進していくことにし、優先的に10月中に平壌芸術団のソウル公演を実施することにした。

② 南北は2020年夏季オリンピック大会をはじめとする国際競技大会に共同で積極的に進出し、2032年夏季オリンピックの南北共同開催を誘致するために協力することにした。

③ 南北は10・4宣言11周年を記念するための意義深い行事を開催し、3・1独立運動100周年を南北が共同で記念することにし、そのために実務的な方案を協議していくことにした。

5. 南北は韓半島を核兵器と核の脅威がない平和地帯にしなければならず、そのために必要な実質的な進展を速やかに実行していくべきだという点で認識が一致した。

① 北側は東倉里ミサイルエンジン試験場とミサイル発射台を関係国の専門家が参観する中で永久的に廃棄することにした。

② 北側はアメリカが6・12朝米共同声明の精神に基づいて相応の措置を取れば、寧辺核施設の永久的廃止のような追加的措置を継続して進める用意があることを表明した。

③ 南北は韓半島の完全な非核化を進める過程で緊密に協力していくことにした。

6. 金正恩国務委員長は文在寅大統領の招請により、近い時期にソウルを訪問することにした。

2018年9月19日
平壌

大韓民国大統領
文在寅

朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員長
金正恩