金正男氏殺害事件 実行犯のベトナム人女性が刑期終えて出所

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がおととし、マレーシアで殺害された事件で、実行役として有罪判決を受けたベトナム人女性が3日、刑期を終えて出所しました。
この女性はベトナム人のドアン・ティ・フォン元受刑者で、現地時間の3日午前、マレーシアの刑務所から出所し、午後にはベトナムに帰国したということです。
フォン元受刑者は、北韓男性らと共謀し、おととし2月13日にインドネシア人女性とクアラルンプール国際空港で金正男氏の顔に猛毒の「VX」を塗りつけ殺害した罪で逮捕され、裁判を受けました。
裁判所は今年4月1日、罪名を殺人罪から刑の軽い「傷害罪」に変更して禁錮3年4か月の有罪判決を言い渡しました。
フォン元受刑者は逮捕後の勾留期間が差し引かれたうえ、模範囚として減刑され、入所からおよそ1か月で刑期を終えました。
一方、インドネシア人女性については、検察が先月11日に起訴を取り下げ、釈放されています。
また、指示役とされる北韓国籍の4人は事件直後にマレーシアを出国しており、刑事訴追は難しい状況で、事件の最大の焦点である北韓の関与の詳細は謎に包まれたまま、裁判は終結することになりそうです。
[Photo : YONHAP News]