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南北間の通信連絡線が復旧

今週のキーワード2021-07-31

ⓒYONHAP News

韓国と北韓は途絶えていた通信ホットラインを27日、再開させました。

南北当局を直接結ぶ通信ホットラインは、昨年6月、北韓側が遮断して以来、13か月間にわたって通信が途絶えていましたが、南北連絡事務所と西部地区軍通信線は28日から開通し、技術的な問題で開通が遅れていた東部地区軍通信線も29日に正常に開通しました。

通信ホットラインの再開は、文在寅大統領と北韓の金正恩国務委員長が合意し、実現しました。

韓国大統領府の関係者によると、文在寅大統領と金正恩委員長は4月以降、複数回にわたって書簡を交わし、早い時期に南北間の信頼関係を回復し、関係を改善していくことで合意したということです。

北韓の国営朝鮮中央通信も通信ホットラインの再開を報じました。

朝鮮中央通信は、南北の首脳が複数回にわたって書簡を交わしたことを報じ、「互いに信頼を回復し、和解を図る大きな一歩を踏み出すことで合意した」としました。

また、通信ホットラインの再開が南北関係の回復と発展に肯定的に作用するだろうとしました。

通信ホットラインが再開したことで、南北は1日朝夕2回、定期連絡を行います。

韓国と北韓は、通信ホットラインが途絶えた昨年6月までは、南北連絡事務所の通信ホットラインで毎日午前9時と午後5時の2回にわたって定期連絡を行っていました。

通信ホットラインは南北を結ぶ常設の連絡チャンネルです。

西部及び東部地区の軍通信線は、偶発的な武力衝突を未然に防ぎ、南北間の人や物資の安全な往来をサポートする役割を果たしています。

また、南北連絡事務所の通信ホットラインは、南北間の全般的な協力を推進するための常設連絡チャンネルです。

南北を結ぶ連絡チャンネルは複数ありますが、遮断と再開を繰り返しています。

北韓は韓国との関係に不満があるとき、連絡チャンネルを一方的に遮断する措置を取ってきました。

北韓は昨年6月、韓国の脱北者団体が金正恩委員長を批判するビラを散布したことに反発し、通信線を遮断しました。

北韓が通信ホットラインの再開に合意した背景には、深刻な経済難や食糧不足があるとの見方もあります。

通信ホットラインの再開は、両首脳が複数回にわたって書簡を交わしたうえで合意しました。

南北関係が悪化する中でも、両首脳が持続的に意見交換を進めてきたのは、少なくない意味があります。

通信ホットラインの再開が米朝の対話につながるのではないかとする見方もあります。

アメリカ国務省のポーター副報道官は27日、通信連絡線の再開について、「前向きな一歩であり、歓迎する」としたうえで、「韓半島の完全な非核化を実現し、平和を定着させるためには外交と対話が必要不可欠だ」と強調しました。

アメリカは北韓に対話を求めていますが、実際に対話が再開されるまでには時間がかかりそうです。

コロナ禍の中、米朝の当局者が直接会うのは制限が伴いますし、双方が納得できる妥協点を見出すのは簡単なことではありません。

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