金正恩委員長 恐怖政治再始動か

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の恐怖政治が再始動したもようです。
国家情報院が、19日、国政監査で明らかにしたところによりますと、ことしに入って、金正恩委員長による粛清が再開され、公開処刑はことしに入って先月まで、合わせて64人に上るということです。
金正恩氏が最高指導者についた直後の2011年からの4年間に処刑された幹部が100人以上とされており、今年はそれ以上の恐怖政治が行われているという見方が出ています。
こうした恐怖政治のため、エリート層の忠誠心が急激に落ちていて、幹部の間で粛清を恐れ、脱北する現象がみられるということです。
ことし韓国入りした脱北者は、去年の同じ期間に比べて20%増加しました。
このため、金正恩委員長が、恐怖政治による北韓内の不満をよそに向けるため、さまざまな挑発に乗り出す可能性があることが懸念されています。
ことしに入って北韓のサイバー攻撃は、この3年間の平均の2倍以上に増えていて、軍需企業や安全保障専門家を対象としたハッキングも大きく増えました。
一方、国家情報院によりますと、金正恩委員長は、体制や身の回りの不安から、行事の日程や場所を急に変更したり、毒物や爆発物を探知する装備を輸入したりするなど警護を強化しているということです。
[Photo : ]