金正恩政権、5年間に340人粛清 韓国の白書

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)政権が2011年に発足してからの5年間で、粛清された人は340人に上ることがわかりました。
韓国国家情報院傘下の研究機関、国家安保戦略研究院は、最近、発行した白書の中で、金正恩労働党委員長は3代目の世襲権力を堅固にするために政権発足以降、5年間で、叔父の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長をはじめ高官、住民ら340人を公開処刑などで粛清したと明らかにしました。
白書は、張成沢氏のほかに、国防相にあたる玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力部長、キム・ヨンジン副首相、崔英健(チェ・ヨンゴン)副首相、朝鮮人民軍総参謀部の辺仁善( ピョン・インソン)作戦局長らを例に挙げ、粛清された幹部の数が急激に増えていると説明しています。
処刑の対象は、労働党、政府、軍を問わず拡大されていて、一般住民の公開処刑も増えているということです。
また白書は、金正恩政権は、29回に及ぶ核やミサイル発射の実験に3億ドル、金委員長一族の銅像建設などに1億8000万ドルをつぎ込むなど、住民を抑圧する一方で、核やミサイルの開発、金正恩委員長の偶像化などにばく大な財政支出をしていると指摘しました。
そして来年も、金正恩委員長の偶像化とともに、核開発と経済発展を並行させる「並進路線」を誇示するとみられるものの、偶像化のためのばく大な財政支出や住民の動員で体制の亀裂は加速するという見方を示しています。
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