事件の背後 証拠不足で解明難航か

金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア警察が北韓国籍の男性容疑者4人が事件当日に出国したと発表し、事件の背後に北韓政権がいるという説が有力ですが、これを確認するのは難しいものとみられます。
すでに逮捕された北韓国籍のリ・ジョンチョル容疑者は事件との関係を否認していますし、残る容疑者4人はすでに平壌に戻ったためです。
マレーシア警察としては、国際刑事警察機構などを通じて4人の経由地などを確認することはできますが、北韓は国際刑事警察機構に加盟していないことから、4人に対する直接審問などをすることは事実上不可能です。
また、マレーシアと北韓は犯罪人引渡し条約も締結しておらず、北韓に対して4人の送還を求めることもできません、
北韓がマレーシア警察の捜査に協力して4人の送還に応じる可能性は全くないのが現状です。
マレーシア警察は4人について、北韓国籍だとだけ明らかにしていて、この事件と北韓政権の関連性を裏付ける証拠は掴んでいないものとみられます。
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