北韓の金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男（キム・ジョンナム）氏の殺害事件で、マレーシア警察が北韓の外交官や国営企業社員を捜査対象として公表し、事件に北韓当局が関わった可能性が出てきているなか、マレーシア警察は、事件の背後の解明に焦点を合わせて捜査を進めています。
マレーシア警察は23日、記者らに対し、北韓国籍の容疑者5人のうち、現在平壌（ピョンヤン）にいるとみられる4人について、国際刑事警察機構インターポールに国際手配を要請したと明らかにしました。
インターポールには190か国・地域が加盟しており、海外に逃走した犯罪者の国際手配や逮捕など、国際社会で起きている各種犯罪情報を共有していますが、北韓は加盟していないことから、身柄を確保できるかどうかは不透明です。
マレーシア警察はまた、22日に捜査対象として公表した在マレーシア北韓大使館のヒョン・グァンソン2等書記官（44）と高麗航空のキム・ウギル職員（37）について、引き続き調べていると明らかにしました。
ヒョン・クァンソン氏については、外交官としての免責特権があることから、逮捕状を請求する考えはないとしながらも、「隠すことがなければ、捜査に協力すべきだ」としています。
一方、マレーシア警察は22日夜、クアラルンプール市内のコンドミニアムで、事件に関与しているとみられる現地の30代の男を逮捕し、近くの別のコンドミニアムから化学物質と多数の手袋、靴を押収しました。
現地警察は、この男がすでに逮捕された北韓国籍のリ・ジョンチョル容疑者と関係があるかどうか調べています。

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