マレーシア検察 金正男氏殺害事件の容疑者を追放へ

北韓の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件にかかわった疑いで逮捕された北韓国籍のリ・ジョンチョル容疑者が釈放され、北韓に追放されることになりました。
AP通信がマレーシア検察総長の話として2日、報じたところによりますと、リ・ジョンチョル容疑者について、証拠不十分のため、起訴を断念し、勾留期限が切れる3日に釈放し、北韓に追放するということです。
リ容疑者は先月13日、クアラルンプール空港で起きた金正男氏殺害事件にかかわった疑いで17日、逮捕されました。
リ容疑者は、犯行当日、北韓国籍の容疑者4人の平壌への逃亡を自身の車で手助けしたとされています。
これに先立ち北韓は、2日、リ容疑者の釈放のため、マレーシアに代表団を派遣していました。
この事件と関連して、唯一逮捕された北韓国籍の容疑者が釈放されることで、北韓が背後にあるかどうかを明らかにするのは難しくなるとみられます。
一方、この事件の捜査で、北韓と対立を深めてきたマレーシア政府は、締結から8年となる北韓とのビザ免除協定を破棄しました。
この措置は、北韓の外貨稼ぎなどに少なからず打撃を与えるとみられます。
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