中朝が急接近 サードで韓米へのメッセージか

韓国政府がアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の韓国への配備に向けた動きを加速させているなか、中国と北韓が急接近しています。
中国外務省は1日、王毅外相と北京を訪れている北韓のリ・ギルソン外務次官が1日に会談し、友好関係を強調したと明らかにしました。
この会談で中国の王毅外相は、「中国は北韓とのコミュニケーションを強化し、両国関係の健全な発展を望んでいる」と述べ、これに対してリ・ギルソン次官は「北韓と中国との友好関係は両国の資産だ。韓半島情勢について、北韓も中国との間で掘り下げた議論をすることを望んでいる」と述べたということです。
中国が北韓との高官級対話の内容を公開するのはまれなことで、北韓の相次ぐミサイル発射や核実験を受けて中朝関係が疎遠になっているなかで、今回、中国政府が北韓との友好関係を強調したのは、韓米がサード配置を強行した場合、北韓問題で協力するのは難しいというメッセージを、韓国とアメリカに向けて送っているとする見方が強くなっています。
また中国は、ロシアとの次官級会談で、サードの韓国への配備に反対するという共同の認識を確認したことを明らかにしており、アメリカのトランプ政権が韓日米3か国の安全保障協力とミサイル防衛システムの構築に積極的に乗り出していることを意識し、「韓日米」対「北中ロ」の構図を鮮明にさせる狙いがあるものと考えられています。
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