北韓の金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男（キム・ジョンナム）氏がマレーシアの空港で殺害された事件で、殺害に関与したとして逮捕されていた北韓国籍のリ・ジョンチョル容疑者（46）が釈放されました。
リ容疑者は在留期限が切れているため、北韓に強制送還される見通しです。
マレーシアのアパンディ法相は２日、リ容疑者は証拠不十分で釈放されるとロイターに述べていました。
リ容疑者は先月13日、クアラルンプール空港で起きた金正男氏殺害事件にかかわった疑いで17日、逮捕されました。犯行当日、北韓国籍の容疑者4人の国外逃亡を自身の車で手助けしたとされています。リ容疑者は、薬学が専門で、金正男氏の暗殺に使われたとされる猛毒の神経剤「VX」の製造にかかわった疑いがもたれていました。
この事件と関連して、唯一逮捕された北韓国籍の容疑者が釈放されたことで、北韓が背後にあるかどうかを明らかにするのはさらに難しくなるものとみられています。
金正男氏は先月13日、クアラルンプール国際空港で実行犯とみられる女2人に猛毒の神経剤「VX」を顔に塗りつけられて殺害されており、実行犯の女２人が殺人罪で起訴されています。

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