アメリカ財務省は29日、国連などの制裁措置にもかかわらず、資金洗浄など北韓による不正な金融取引に関与したとして、中国の丹東銀行を制裁対象に指定すると発表しました。
アメリカ財務省によりますと、中国の丹東銀行は北韓の核・弾道ミサイル開発計画に関連する企業のため、何百万ドルにも上る資金決済を行っているほか、北韓がアメリカを含む国際金融システムにアクセスするための玄関口となってきたとされています。
また、北韓からの武器輸出などに便宜を図った中国人2人と、 北韓からの石炭輸出などに関与した中国の海運会社1社も制裁対象としました。
制裁指定により、アメリカの金融機関との直接取引のほか、外国金融機関を経由した間接取引も禁じられます。
北韓問題をめぐり、トランプ政権が中国企業に制裁を科すのは初めてです。
アメリカ政府は、今回の措置は、中国を狙ったものではないとしていますが、アメリカ政府は北韓による核・ミサイル開発の阻止に向けて、経済面でつながりの深い中国の影響力行使を期待しており、今回の制裁措置も、中国に対して一層の圧力強化を促す狙いがあるとみられています。
また、今回の制裁措置が文在寅（ムン・ジェイン）大統領のアメリカ訪問の公式日程が始まる日に合わせて取られたことから、中国だけでなく、韓国に対しても北韓に対するさらなる圧力強化を求めるメッセージを送ったとする見方が出ています。

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