文大統領 ドイツで「ニューベルリン宣言」発表か

アメリカ訪問を終えて帰国した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、ドイツ・ベルリンで新しい北韓政策を盛り込んだ「ニューベルリン宣言」を発表するもようです。
文大統領はドイツで開催されるG20=主要20か国・地域首脳会議に出席するため、5 日からドイツを訪れます。文大統領はドイツ訪問期間に予定されている演説で、基本政策となる、「ニューベルリン宣言」を発表するものとみられています。
文大統領は先のアメリカのトランプ大統領との首脳会談で、北韓に対して制裁と対話を並行させ非核化を目指すことで合意しており、両国の共同声明には、トランプ大統領が、韓半島の平和的統一に向けた環境づくりに韓国が主導的な役割を果たすことを支持したと明記されました。
これについて、北韓との対話を模索する文在寅政権が北韓政策でアメリカの支持を取り付けたものと受け止められており、文大統領が提案している、まずは北韓の核開発計画の「凍結」を目指し、そのうえで最終的に核の「廃棄」を達成していく「2段階プロセス」の導入に弾みがつくものとみられています。
こうしたことから、文大統領のベルリン訪問は「統一外交」の面から大きく注目されていて、「ニューベルリン宣言」には、かなり大胆な提案が盛り込まれる可能性があるとの見方も出ています。
大統領府青瓦台の関係者は、「宣言には、南北が相互信頼の下、韓半島の平和定着に向けた努力を続けなければならないとの内容が盛り込まれる見通しだ」と話しています。
金大中(キム・デジュン)元大統領は2000年3月、北韓への大規模な経済支援と南北間対話、特使派遣を提案する「ベルリン宣言」を行い、史上初の南北首脳会談と南北共同宣言につなげています。
「ニューベルリン宣言」は、この金大中元大統領の「ベルリン宣言」を継承すると同時に、朴槿恵(パク・クネ)前大統領が2014年に発表した「ドレスデン宣言」を修正・補完し、北韓政策における長期的な原則を打ち出すものとみられています。
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