北韓IOC委員 「スポーツによる南北関係の改善は無邪気な期待」

韓国主導の世界テコンドー選手権大会に合わせて韓国を訪れていた北韓の張雄(チャン・ウン)IOC=国際オリンピック委員会委員が、2018年の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックでの南北合同チームの構成を呼びかけた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の提案について「おかしな話」と述べたもようです。
アメリカの政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ」が4日伝えました。
それによりますと、張雄委員は1日、韓国を発つ前に電話インタビューに応じ、「南北関係が薄氷のうえを這っているような状況で単一チームの構成ができるわけがない。単一チームを構成するということ自体がおかしい」と述べたということです。
張雄委員は、また、北韓が主導しているITF=国際テコンドー連盟の演武団が、先月茂朱で開かれた、韓国が主導するWTF=世界テコンドー連盟主催の世界テコンドー選手権大会で演武を行ったことについても、「国際機関であるWTFとITFの間の交流で、南北のスポーツ交流ではない」と述べました。
そのうえで、「スポーツを通じて南北関係を改善させるというのは無邪気極まりない考えで、期待が大き過ぎる」と述べたということです。
張雄委員は、先月27日にも、平昌冬季オリンピックでの南北単一チームの構成について、「スポーツの上に政治がある。政治的環境が解決されねばならない」と、否定的な見解を示しています。
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