米に直接対話促す狙いか 北韓のICBM発射

北韓が4日、韓米首脳会談直後のアメリカ独立記念日に合わせてICBM=大陸間弾道ミサイルを発射したことについて、北韓が核・ミサイル技術の高度化を継続する意向を明確にし、アメリカに対して対等な立場で条件なしの直接対話を促したものだとする分析が出ています。
韓国とアメリカは先月30日、ワシントンで文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任後初めての韓米首脳会談を開き、北韓の非核化へ最大の圧力をかけると同時に、適切な環境下で対話に応じる立場を確認したほか、核問題解決に向けた韓国政府の政策の方向性をアメリカが支持する共同声明を発表しました。
その直後の4日、北韓は「特別重大報道」としてICBM=大陸間弾道ミサイル「火星14型」の発射に成功したと発表し、北韓が、「制裁と対話を活用し、段階的、包括的なアプローチで北韓の核問題を根本的に解決する」とする韓米合意を真っ向から拒否した形となりました。
これについて、韓半島問題研究グループの「平和ネットワーク」のチョン・ウクシキ代表は4日、「『適切な環境下』としたアメリカの条件付き対話には応じないとする姿勢を明確にしたものだ」とする認識を示しました。
北韓の対韓国窓口機関の祖国統一民主主義戦線中央委員会も、このほど、「制裁か対話か、ひとつを選択せよ」と主張し、韓米両国に対して対北韓政策の大転換を求めています。
北韓がいわゆる「レッドライン」とされるICBMの試験発射を公式に実施したことから、北韓の核の凍結を前提とした対話の再開は困難な情勢となり、トランプ政権が今後どのような対応を取るのかに関心が寄せられています。
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