米国務長官 「北韓との対話望む」

アメリカのティラーソン国務長官が、就任6か月を迎えて、現地時間の1日記者会見し、北韓の核やミサイルの問題をめぐって、「アメリカは北韓の敵ではない。どこかの時点で北韓と生産的な対話をしたい」と述べました。
核放棄が前提ではありますが、先月2回にわたってICBM=大陸間弾道ミサイルを発射した北韓に対して、アメリカ国内で強硬な対応を求める声が上がっているなか、対話を言及したということで注目されます。
またティラーソン長官は、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)政権の交代や崩壊、先制攻撃などはアメリカの目標ではないと改めて強調しました。
さらに、「北韓の威嚇は、アメリカが予想していた通りの方式で行われ、アメリカに北韓問題が急を要する問題であることを示してくれた」と述べました。
これは、北韓のICBM発射以来、アメリカ国内で起きている、北韓の政権交代を目指す対北韓戦略の練り直しの声を一蹴し、最終的には対話による解決をめざすというトランプ政権のこれまで原則を改めて示したものです。
最近、アメリカの日刊紙「ニューヨークタイムズ」や「ウォールストリートジャーナル」などの主なメディアは、金正恩政権の交代の必要性に関する社説を相次いで掲載していました。
一方、北韓のICBM発射以降、アメリカと中国の対立が深まっていることについて、「中国が世界第2位の経済大国に成長したことで、米中関係は、転換点を迎えている。しかし、北韓が米中関係を定義するのではない」として、北韓が米中関係の足かせになってはならないとする考えを示しました。
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