北韓対応で二転三転する米国

アメリカのペンス副大統領は現地時間の2日、「北韓との直接対話はない」と述べ、前日にティラーソン国務長官が言及した北韓との対話を否定しました。
アメリカのティラーソン国務長官は現地時間の1日、北韓の核やミサイルの問題をめぐって、「アメリカは北韓の敵ではない。どこかの時点で北韓と生産的な対話をしたい」と述べ、アメリカ政府が北韓に対する姿勢を和らげるのではないかとする見方が出ていました。
しかし、翌日の現地時間の2日、マイク・ペンス副大統領は「北韓の核開発計画を抑制するためのアメリカの正しい戦略に、北韓との直接対話は含まれない」と述べ、北韓に対し、強硬な姿勢を示しました。
ペンス副大統領はそのうえで、「アメリカは北韓に対する軍事行動を排除しておらず、すべてのオプションがテーブルの上に残っている」と強調しました。
アメリカ国務省のナウアート報道官も現地時間の3日、「アメリカが北韓との対話や交渉を考慮するまでに北韓が進むべき道のりは遠い」としています。
ところで、北韓に対するアメリカの態度が二転三転しているのは、アメリカ政府に北韓政策のコントロールタワーがないことによるものだと指摘する声が出ています。
ティラーソン国務長官や、ホワイトハウスで国家安全保障を担当するマクマスター大統領補佐官は、最近更迭説が出回っており、国務省東アジア太平洋担当次官補と韓国駐留アメリカ大使は6か月以上空席のままとなっています。
アメリカのメディアや専門家は、「不透明で一貫性のないメッセージは、北韓問題に対応するうえでアメリカの立地を狭くするだろう」と指摘し、トランプ政権に対し、早期に北韓問題でのコントロールタワーを整備するよう求めています。
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