文大統領の「レッドライン」発言 野党が批判

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北韓の核のレッドライン、越えてはならない一線は「ICBM=大陸間弾道ミサイルを完成させ、これに核弾頭を搭載して兵器とすること」と述べたことについて、野党3党は、「不適切」と批判しました。
文在寅大統領は就任から100日目となった17日、大統領府青瓦台で記者会見し、核やミサイルの開発がますます高度化している北韓について、文大統領が考える、越えてはならない一線の「レッドライン」は何かという質問に対して、「北韓がICBM=大陸間弾道ミサイルを完成し、そこに核弾頭を搭載して兵器化することだ」と述べています。
これについて、保守系の最大野党「自由韓国党」の鄭宇沢(チョン・ウテク)院内代表は18日、「戦略的あいまいさを維持しなければならないレッドラインについて、その内容を大統領が直接言及したこと自体が非常に不適切」と批判しました。
中道系野党「国民の党」の朴柱宣(パク・ジュソン)非常対策委員長は、「アメリカのトランプ大統領でさえ、レッドラインの内容を具体的に明らかにしていない状況で、レッドラインを概念化した」と批判しました。
保守系「正しい政党」の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は、「北韓の核実験、ICBMの試験発射は認めるという意味にとられる恐れがある」と指摘しています。
これまで、韓米当局は、北韓に対して「レッドラインを越えてはならない」と重ねて警告していますが、レッドラインの中身が何なのかについては明らかにしませんでした。
ただ、ことし4月、北韓のさらなる核実験に踏み切る可能性をめぐって「韓半島危機説」が広がったことから、アメリカの考えるレッドラインは、「6回目の核実験」と「ICBM発射」というのが大方の見方でした。
これに対し、文大統領の発言は、レッドラインの意味を「核兵器の実戦配備」と定義したとも受け止められ、これまで考えられてきた「6回目の核実験」や「ICBM発射」に比べて、寛大な基準になっていると指摘する声も出ています。
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