文在寅大統領 対話から一転 強力な対抗措置に

北韓の相次ぐ挑発にも対話のメッセージを送り続けていた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、今回の挑発に対しては、強い対抗措置を指示するなど姿勢を一転させ、注目が集まっています。
文大統領は29日午前、大統領府青瓦台の鄭義溶(チョン・イヨン)国家安保室長が開いたNSC=国家安全保障会議の常任委員会の結果報告を受け、韓国軍に、北韓に対する強い報復能力を誇示するよう指示しました。
韓国軍は、直ちに戦闘機「F15K」を出撃させ、「MK84」爆弾8発を太白(テベク)射撃場に投下する訓練を行ったほか、アメリカの戦略資産の展開も検討しているということです。
文大統領が、こうして北韓の挑発に対して強力な対抗措置を取ったのは、今回の挑発は、重大と認識したためとみられます。
北韓が26日、弾道ミサイルを発射した際は、韓国軍とアメリカ軍による合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」に反発していて毎年この時期に北韓が行っていた恒例の挑発と見ていました。
文大統領はこれまで、北韓に対して制裁と圧力に言及しながらも、基本的には対話を強調する姿勢を取ってきましたが、今後、こうした挑発が続けば、対話の可能性が少なくなっても、強力な対抗措置を取るという考えを示唆したものとみられます。
青瓦台の関係者は、「戦略的目標を実現するために、一つの戦術的な道だけを進むことはできない。戦術的対応が必要な時点があり、戦略的対応が必要な時点がある。こうした局面は、絶えず揺れ動きながら、変化を続けるだろう」と話しています。
[Photo : ]