北のミサイル 日本の上空を飛んだ狙いは?

北韓が29日午前、日本の上空を通過するミサイル1発を発射した狙いについて、北韓がグアム島や日本駐留アメリカ軍を打撃できるという警告のメッセージを送る一方、アメリカに対話を促すためとする見方が出ています。
北韓は、今月10日、アメリカ軍の戦略兵器が結集しているグアム島一帯を包囲射撃する計画を発表し、「日本の島根、広島、高知の上空を通過して3356.7キロを飛び、グアム島周辺水域に命中させる」としていました。
そのため、軍の関係者からは、今回、日本の上空を飛ぶミサイルを発射することでグアム島を打撃できる能力を見せつけるとともに、有事の際に韓半島に軍を派遣する日本駐留アメリカ軍も射程内にあることを明確にすることで、日米同盟をけん制したものという見方が出ています。
日本の防衛省によりますと、北韓が事前の通告なしに日本の上空を通過するミサイルを発射したのは、1998年以来ということです。
また、北韓が対話を促す狙いがあるという解釈もあります。
早稲田大学のイ・ジョンウォン教授は、「アメリカがこれまで北韓に対して対話が可能だとしながらも制裁一辺倒に走ってきたため、北韓がアメリカの反応を待つよりは行動に出たもの」という見方をしています。
一方、安倍首相はアメリカのトランプ大統領と電話で会談し、「いまは対話する時ではない」と述べたということです。
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