国連安全保障理事会の対北韓制裁に抜け穴が多く、北韓が数億ドルの資金を獲得していたという調査結果が示されました。
ウォールストリートジャーナルが8日、安保理の北韓制裁委員会傘下の専門家パネルがこのほど安保理に提出した報告書をもとに伝えたものです。
それによりますと、北韓は、昨年末から制裁決議が禁止している石炭や鉄、亜鉛などを主に中国に輸出し、2億7000万ドルを獲得したということです。
特に、中国が今年2月に北韓からの石炭輸入を中止するとしてからは、石炭の輸出先を中国からマレーシアやベトナムなどに切り替え、外貨を獲得しているということです。
安保理が制裁を強化しても、北韓が巧妙な手口で制裁をかいくぐる例は後を絶たないとして、専門家パネルは各国に制裁決議の履行徹底を呼びかけています。
今回の報告書は、アメリカが中心になって推進している、さらに強力な対北韓制裁を盛り込んだ国連安保理決議の採択に影響を与えるものとみられています。
国連安保理の新たな決議の採択をめぐっては、トランプ大統領は7日、中国の習近平国家主席と電話で会談したあと、「習近平国家主席が何かをしたがっている。できるかどうか見守る」と述べており、中国が何らかの決断を下した可能性に注目が集まっています。

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