韓中首脳会談 安保政策は米中の狭間に

文在寅大統領は先週、中国の習近平国家主席と会談し、両国関係の改善や北韓の核問題での連携について意見を交わしました。
中国は、在韓米軍へのTHAAD=高高度迎撃ミサイルシステムの配備につ強く反発、韓国への団体観光客の制限などの報復措置を取り、関係が悪化していましたが、今回の会談は関係改善に向けた契機になったと評されています。
ただ、THAAD配備をめぐる中国側の不信感は根強く、本格的な関係改善には時間がかかるとの指摘もあります。
一方、北韓の核問題への対応については、韓半島の非核化原則を堅持し、国連安保理決議の履行など制裁・圧力を通じて北韓を対話の場に誘導していく方針を確認しました。
両首脳は、「韓半島での戦争は絶対に容認できない」という立場でも一致しましたが、これについては、北韓への先制攻撃論を抑制する効果はあるものの、北韓に対する圧迫手段の一つを放棄したとする批判もあります。
一方で、中国は、THAADの追加配備をしないこと、アメリカのミサイル防衛システムに入らないこと、韓米日3カ国の安保協力を軍事同盟に発展させないことを求めていますが、こうした問題はアメリカとの関係にも影響を及ぼすことになり、中国側の要求をそのまま受け入れるのは無理があります。
韓国としてはアメリカと中国の間でどういった形で外交のバランスをとっていくかが重要な課題になっています。
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